子ども手当の怪

手当申請をめぐる混乱

                                                                    10..27

       

 子ども手当の申請受け付けが、本格的に各市町村で始まりました。

 子ども手当は民主党の参院選マニフェスト(政権公約)の目玉政策で、3月26日に参院可決、6月から支給開始となったものです。

 

しかし、支給要件をめぐる解釈の食い違いや必要書類の不備から申請受理がされないケースや、外国人の申請殺到で混乱に拍車がかかっているようです。

支給事務円滑化のために旧来の「児童手当」の仕組みが導入されたものの、認定申請書に記載されている「監護」や「被用者」といった難解用語の解釈がしにくいという申請者や、家庭環境によって支給の可否が分かれるというケースもあって、対応に苦慮している自治体が少なくありません。

 

子ども手当の支給を受けるためには、(1)親や親類などの養育者が日本国内に居住していること、(2)その人が子どもを保護・監督し、生計を一にして生活費を賄っていること等を条件にしています。

子どもとの年2回以上の面会や仕送りはおおむね4ヶ月ごとに行っているなどの養育状況が満たされていることの確認が条件との見解が厚労省から示されています。基本的には日本国内に居住して、子どもの保護・監督などをしていれば、国籍を問わず支給対象となるということになります。

両親が国内に居住し子どもは海外留学中という場合や、海外の母国に子どもを持つ外国人には支給されますが、両親が海外赴任中で子どもは国内の寮などに入っている場合は支給対象外です。ただ祖父母の養育を受けている場合には支給されるなど、一度聞いたくらいでは理解できない構図となっています。

 

尼崎市に在住の50歳代の韓国人男性が、妻の母国であるタイにある修道院と孤児院の子ども554人と養子縁組をしているということで、年間8658万円の申請をするために同市の窓口を訪れたという報道には驚くばかりです。送金記録や、タイ政府発行の証明書を持参したとのことですが、厚労省の「支給はありえない」との返答で尼崎市は受付を拒否したそうです。

外国人の場合、海外での養育関係確認の難しさや、相手国政府が発行した居住証明書の真偽の確認などの作業の困難さは尋常ではないようです。一夫多妻制の国では数10人の子どももあり得る話なので、「社会通念」というあいまいな基準で判断するのには限界があることや、「虚偽申請でも審査を通ってしまう可能性」(4月25日、産経新聞)という見解ももっともなことではないかと思われます。

 

少子化対策よりも子育て世代の生活保障に力点が置かれた感のある子ども手当の課題は少なくないようですが、「バラマキ批判」に対する論理的な説明や、「財源」、そして述べてきたような「支給対象の厳格化」などの解決が望まれるところではないでしょうか。