29年連続して、子どもの数がまた減りました

静かな有事=少子化をどうするか

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総務省は、恒例により「こどもの日」にちなんで、子どもの数を発表しました。

今年4月1日現在の15歳未満の子どもの数は、人口推計によると1,694万人で、前年より19万人も少なくなって、29年連続して減少したということです。

 

総人口に占める子どもの割合も、世界最低水準の13.336年連続の低下、昨年よりも0.1ポイント低下し過去最低を更新しています。

国際的に見ても、子どもの割合はイタリア 14.2%、ドイツ 14.5%、スペイン 14.5%など、わが国同様に少子化に悩む国々が少なくありません。

 一方、65歳以上の高齢人口は23.0となって格差は9.7?にも拡がり、1997に両者の割合が逆転して以来、少子高齢化の傾向が一段と鮮明になりつつあります。

 

 昨年の4月、前政権の有識者会議「安心社会実現会議」は、「少子化対策」を最終報告書の柱と位置づけ、「働き、生活することを共に支えあう社会」たる「安心社会」と、世界への共生貢献の上に成り立つ「高信頼国家」21世紀日本が目指すべき国家像として掲げたのです。

このような理念を政府が示したのは初めてのことで、中でも、「少子化」の進展を「静かな有事」と呼び、少子化対策の強化が提言ました。

 少子化対策を「未来への投資」ととらえ、予算を重点的に配分することの重要性が指摘されてはいますが、現実の社会保障給付費は、高齢者関係が全体の約7割を占めるのに対し、児童・家庭関連予算はわずか4%にすぎません。

1.57ショック」が日本全土を駆け巡ったのは1990年のことです。爾来20年、エンゼルプランを初めとする様々な少子化対策が動員された結果が目の前に広がっていることを見逃してはならないでしょう。

 

 雇用形態による賃金格差が少子化に?

厚生労働省が示した06年版の「労働経済白書()」によると、「第3回21世紀成年者縦断調査」などから、正社員と非正社員との間の賃金、待遇面での格差が明らかにされ、非正社員の若者は「配偶者を持つ比率が低い」事実が裏付けられたということです。

20歳代の正社員と非正社員の所得格差は拡大傾向にあり、非正社員では年齢が上がっても賃金は上昇せず、この格差が今後も固定化される懸念があるという見解が示されています。

 このような社会状況を反映してか、日本の貧困率は、OECD(経済協力開発機構)の調査で約15.3%と先進国中でワースト記録となっています。子どもたちの3人に1人の親が非正規労働者で、17歳以下の子どもの7人に1人の親が「貧困状態」にあるのだそうです。

 「子ども手当」に少子化対策としての効能があるかどうかは疑問視されていますが、どちらかというと親の所得保障的な色彩が強いことは否めません。

政治的空白が長期化するばかりか、わが国を取り巻く経済や世界情勢、雇用環境の好転が見込めない現状を見れば、このような状況が改善しない限り、できるだけ子どもは少なくという選択がなされるのももっともなことと思われます。