住めば都?

本当の幸福や住みやすさ、とはなんでしょう?

                             2011.12.13

 

 ブータン国王と王妃の来日で日本全土は爽やか旋風で被われましたが、本当の「幸福とは何か」という重要な命題の置き土産も頂戴することになりました。

 ブータンでは経済成長の指標であるGDP(国内総生産)よりも、GNH(国民総幸福度)を重要視しているという事実は、日本の人々に答えの出しにくい難問を突きつけることになりました。

  世界各国は「幸福度指数」の開発に取り組み始めていますが、わが国でこのような動きが出てきたのは何と言っても東日本大震災で明らかになった「家族や地域、自然とのつながりや絆を重視する」流れと無関係ではありません。

 1129日付けの毎日新聞の「火論 ka-ron」欄では、ランキングのあいまいさを取り上げ、上記のブータンのGNHについて触れるとともに、ランキングはどのような指標を採用するかによって全く違った結果になることに言及しています。

 このコラムでは、47都道府県の中の大阪の順位について、法政大大学院が40の社会経済統計指標から出した「幸せ度」は最下位であるのに、英誌の調査機関による世界の住みやすい都市ランキングでは、大阪がアジア1位だという甚だ理解しにくい事実を紹介しています。

 記事は続けて「豊かさや幸せ度を単一のランク付けで把握することには、もともと限界があり、地域や国の姿を多面的に捉える目が必要だ」と述べるとともに、ランクの数字に一喜一憂する愚を犯すべきではないと結んでいます。

閑話休題。福井県は、毎年のように「日本一住みやすい県」という評価を受けています。

一人当たりの住居スペースの広さや交通の至便性、図書館や美術館など文化面の充実度、女性の社会進出度、県民所得、国立大学進学率などの指標を基に、住みやすさにランキングがつけられているのです。国の「豊かさ指標」でも5年連続日本一、平均寿命も男女とも全国トップクラスというのも自慢ですが、同じ北陸の富山県や石川県も住みやすい県の常連です。保育所待機児童数や女性の働きやすさなども考慮に入れて判断されています。

太平洋岸に住む者にとっては、冬のあの鉛色の雪空と寒さはなじみにくいものですが、住みやすさは気候や環境だけで表現できるものではなく、先に述べたような指標をもとに総合的に判断すべきということになるでしょう。

内閣府は今月5日、GDP(国内総生産)などの経済統計では表せない国民の「幸福度」を測る指標の試案をまとめ、都内で始まった「幸福度に関するアジア太平洋コンファレンス」で公表しました。(5日各紙夕刊)

試案は心の幸福感を基本として、「経済社会状況」 「心身の健康」 「家族や社会との関係性」の3つを指標の大枠として設定した上で11分野に分け、貧困率や育児休暇の取得率など、客観的な統計のほか、他者や政府への信頼感、放射線量への不安といった主観的な項目など132に上る指標が採用されているということです。