待機児童ゼロ?

子ども・子育て会議 始動

                                                               2013.4.30

  安倍首相は、新たに40万人分の保育を確保し、保育需要がピークを迎える2017年度までに待機児童をゼロに」する方針を打ち出しました。

保育所の定員は3年前に比べて10万人以上も上積みしたものの、入所希望者増で待機児童数は2.5万人前後に高止まりしたままです。保育所に入れない待機児童の数は公称約2万5000人前後と推計されていますが、認可保育所への申し込みをベースに算出した潜在待機児童数は厚労省の試算でも85万世帯、一方、ある民間組織の試算では198万世帯、364万人となっています。

 施設が整備されるにつれ、「供給が需要を喚起」するという経済メカニズムが働いて待機児童が減らず、イタチごっこになっている面がないとは言えないでしょう。

これを受けて、政府の有識者会議「子ども・子育て会議」は、15年度から本格的に始める新たな子育て支援制度の具体化にとりかかったのです。

 この方針は昨年、税と社会保障の一体改革で打ち出されたものですが、11年度の子育て関連予算4.7兆円とは別に更に1兆円の上積みが必要となるため、15年度に予定されている消費税率10への増税分の中から7000億円が充当される見積もりとなっています。それでも不足する3000億円のメドはたっていないのだそうです。

 新制度の緊急対策では、保育所整備だけではなく、定員20人未満の「小規模保育」や「預かり保育」への支援が含まれており、子ども・子育て会議では小規模保育サービスの認可基準も検討される予定になっています。

 施設の拡充だけではなく、新制度では保育の「質」の保証とともに、就学前の子どもに対する教育や保育を財源面で一本化し、認定こども園や幼稚園・保育所に国の補助金を出すことや、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」の認定・指導・監督を内閣府に一本化する構想も含まれています。

 新制度では、短時間勤務やパートの人でも入所優先順位に差をつけず保育を受ける権利を保障するという思想も盛り込まれているようです。いずれにしても、女性の才能をいかに活かして成長戦略に組み入れるかが焦点になっているようですが、保育を担う人材の育成や確保、保育士を初めとするスタッフの処遇の改善か図られるがどうかなど課題は少なくないようです。

保育所の定員を増員することは望ましい方策ですが、 安倍首相は4月18日のテレビ番組で、現行法では最長1年6ヵ月間取得可能な育児休業について、子どもが3歳になるまで延長する方向で見直す考えを明らかにしました。

この構想は、女性が復職しやすい環境を整えるという成長戦略の方針に沿ったものだそうですが、3年も職場から離れると却って復職しにくくなるのではないかと危惧する声も少なくないようです。