牛丼 値下げ!?

デフレ脱却の行く末

                                   2013.5.7


アベノミクス少子高齢化、公共インフラの老朽化対策、エネルギー・環境制約など世界に先駆けた課題に取り組むというのが安倍政権の「成長戦略」の目標なんだそうです。

医療など新産業を育成し、規制緩和などを進めて女性が力を発揮できる環境を整備することが柱となっており、安倍政権が金融緩和と財政支出に続いて放つ第3の矢、これが経済政策「アベノミクス」実現のカギとなっています。

新たに起用された黒田東彦日銀総裁は、「デフレ脱却に向けてやれることは何でもやるという姿勢を明確に打ち出す」と宣言、政府と協調して「2%の物価目標を1日も早く実現する」方針を強調しています。

ただ、デフレの原因が、国内需要の低迷によって供給を下回ってしまうという「需給ギャップ」によるため、2年で2%の物価上昇を達成するのは極めて困難であり、真のデフレ脱却とは言えないとする見方も少なくありません。たとえ物価目標が達成されたとしても、大胆緩和の負の遺産を終息させる出口戦略が不可欠であるとの懸念も少なくないようです。

このような「量的・質的緩和」を受けて円安・ドル高が定着し、株価も上昇基調、一部で個人消費を刺激する効果を生んでいるのはシナリオ通りなのでしょう。

デフレ脱却への道筋が見え隠れする中、4月18日、牛丼チェーンの吉野家HDは「並」牛丼を100円値下げし280円にしたのです。この出来事にコメントを求められた黒田日銀総裁の答弁には思わず笑いが出ましたが、牛丼が安くなった背景には、規制緩和で米国産牛肉が値下がりしたことがあることは確かなようです。

これを受けて、競合する「すき家」と松屋も4月中旬までのキャンペーンで並み盛を250円にして向かえ撃ち、ここに熾烈な牛丼価格競争が繰り広げられることになったのです。

2月からの牛肉輸入規制緩和は、BSE(牛海綿状脳症)対策としてとられてきた米国産牛肉の輸入対象が「月齢20ヶ月」から「30ヶ月」以下に拡げられた結果、輸入価格が値下がりし、ほぼ全量を米国産牛肉に頼っている吉野家には追い風、6ヶ月連続で低迷している売上高の救世主となるのかどうか予断を許さない展開となっています。1月まで1キロ670円前後であった米国産バラ肉の国内卸価格は、今後560595円で推移する見通しだそうです。

BSEについては科学的に安全だとされても、その根拠が十分には説明されていない現状では国民の不運は払拭できてはいません。国内では現在も自治体の負担で現在も継続されている「対象外の若い牛」の検査ですら安全性の根拠が乏しい上、更に4月23日には、内閣府の食品安全委員会が、国内の牛の食肉検査の対象月齢を48ヶ月超」に緩和しても「ヒトへの健康影響は無視できる」との評価書案を打ち出して追い打ちをかけたのには尚さら不安を覚えずにはおられません。