食品偽装 みんなでやれば怖くない

ブランド 背信に呆気と怒り

2013.11.12


 阪急阪神ホテルズで大規模な食品偽装が発覚、食品の誤表示だと強弁するホテル側の記者会見に呆気に取られた視聴者も少なくなく、謝罪会見ではなく開き直り会見になったという違和感は如何ともし難い事実です。

「だます意図なし」という説明には首をかしげるばかりですが、日本全国の一流ホテルでも同様の偽装がまかり通っていたという事実が続々と白日の下の曝されるに及んで、ことが「ブランド」を売り物にしている一流ホテルでの椿事だけに食の信頼は見る影もなくなったように感じられます。

偽装表示が確認されたのは少なくとも約400施設に上ることが産経新聞の集計で明らかになっています(11月9日、産経)。

 中には、和牛ステーキと称して牛乳や大豆などアレルギーを起こす可能性のある材料をつなぎに使用した加工肉(成型肉)をそれとは表示せずに提供していたレストランもあるということで、重篤なアレルギー事例の報告が無かっただけでも救いでしょう。

 産地偽装については、「不正競争防止法違反(原産地の虚偽表示)」スレスレの事案で、過去にも中国産ウナギを国産と偽って販売した業者に刑事罰が科された例などがあるものの、「料理」で摘発された例は殆ど見当たらないのが現状だということです。

 組織の統括者が責任を現場に押し付けるという、あってはならない態度をとったことも信用失墜に拍車をかけたように思われます。

 食品表示のルールは現在、日本農林規格(JAS)法、食品衛生法、健康増進法の三つに分かれていて、その分かりにくさが指摘されている処です。

昨年8月、消費者庁の「食品表示一元化検討会」が加工食品に対する栄養表示の義務付けを柱とする最終報告書がまとめたのを受け、食品の安全性や品質などを分かりやすく表示するための「食品表示法」が本年6月に参院本会議で成立した矢先の出来事だけに、なんとも皮肉な展開となりました。

雪印食品の牛肉偽装事件をきっかけに、農水省は2002年2月「食品表示110番」を開設し、消費者や食品業者から食品表示に関する告発や苦情を受け付けてきましたが、07年後半から食品偽装問題頻発も、内部関係者からの通報が目立ってきていたというのが農水省・食品表示・規格監視室の見方です。

農水省が2002年から設けている食品不正の告発窓口への情報提供も累積で1万件を突破し、偽装事件が多発した07年には3,757件と前年比2.7倍に急増したということです。

食品表示としては、野菜や肉、魚介類など生鮮品には「原産地」、加工食品には「原材料名」(食品添加物を含め基本的に全ての表示が必要)、「内容量」、「消費または賞味期限」、「保存方法」、「製造者」などの情報の表示義務があります。原材料も添加物も、それぞれ含まれる重量順に記載することとなっているのだそうです。