東京一極集中の是非

首都直下地震 と 富士山噴火の恐怖

2014.3.18

 「東京一極集中からの脱却」。これは3年前に東日本が大震災に襲われた直後、メディアをはじめあらゆる方面から発せられた反省と対策の提言でした。

本ホームページでも2012年4月3日に「首都機能移転論議 再燃!」 と題してコメントしましたが、その後も東京一極集中は留まることを知らず、本社を大阪に置く企業も東京へ東京へとなびき、その後、東京への本社移転はむしろ加速された感さえあります。

御堂筋沿いに高さ100Mのビル建設、高層階を賃貸マンションに」 

これは関西で最近紹介されたニュースです。これまでオフィス街の景観統一のため、大阪のシンボル的中心街である御堂筋には高層建築やマンションの建設は許可されてこなかったという経緯があります。

ところが、大企業の本社東京移転や銀行の合併が相次ぎ、ビル余り現象によってできた空きスペースの一部はコインパーキングに転用されるなど、御堂筋の風情が失われてきたという事情も無視できなくなってきています。

大阪にしてこれですから地方都市においておや ということになりかねません。

 遷都とか副首都構想といった首都機能論議は何度も蒸し返され、東日本大震災を受けての意見は第三の波とも言えます。

首都移転の話は、1950年代に東京の過密解消を視野に入れた遷都や分都論が有識者や研究機関から提言されたのが突破口、次いで1977年の第三次全国総合開発計画において遷都が国土政策の重要課題と位置付けられたのでした。しかしそれも2000年代初頭には国会移転特別委が結論先送りの中間報告を出してからは沙汰やみとなっていましたが、今回の大震災を契機に蒸し返されることになったのです。

今回の首都機能分散論の再燃は、福島第一原発事故による放射能の影響が首都にも及びかねないという懸念が広がったからで、事故直後には首都放棄の噂まで飛び出し、デマともつかない闇情報が飛び交ったこともきっかけになりました。

大震災のみならず、首都直下地震や富士山噴火の影響が危惧されていることは前回にも触れた通りです。

わが国は火山列島と呼ばれるくらい、世界中にある1500の火山のうち7%にあたる110の火山が日本に存在しており、昨年8月には、鹿児島市の桜島が爆発的噴火を起こしたことは記憶に新しい出来事です。

世界文化遺産に選ばれた富士山もそのうち噴火するものと予想されており、直近の大噴火は約300年前の江戸時代の1707年の「宝永噴火」が有名です。

もしそういった事態が持ち上がった場合、国会をはじめ国の中枢機能の殆どすべてが失われ、企業の機能が余りにも東京に集中しすぎた結果として企業の頭と機能は完全にマヒしてしまうという恐れが強くなります。

 「遷都」をめぐる議論は古くて新しい問題です。

 各種の規制が強く、東京に政治・行政機能が集中しているわが国ゆえに、政治や役所との密な連携や情報入手の必要性から東京に本社を置くという姿勢が強くなるようです。

企業はBCP Business Continuity Plan 事業継続計画)を組み有事に備えているようですが、企業機能の首都一極集中を避けて分散化を図らないことには地震や火山の煙でたちまちにしてマヒ状態が起こると言うことになりかねません。

今や規制緩和は急速に進んでおり、サイバー機能の進化などによる情報通信革命を信頼すれば、なにも本社を東京以外の地に移しても不都合はないという意見も一方にないわけではないのですが。 

東日本大震災は真のBCP元年とも言われています。東京に本社を移すことは政治の中枢に接近し、比較にならないくらいの情報に接することができるという利便性は評価できるものの、地震や噴火のリスクを犯してまで移転する必要があるのかどうか疑問は尽きません。御堂筋の現状を見る度に本当に大丈夫かなという気がしてならないのです。