値上げの春 今日から消費税増税 

2014.4.1

  今日から17年ぶりに消費税が引き上げられ、電話、交通運賃などの公共運賃を筆頭に増税分が転嫁値上げされることになります。

「財政構造改革」を掲げて断行された1997年の消費税引き上げに端を発した長期のデフレを乗り越えるのに17もかかったことになりますが、しばらくは消費増税一色の記事が続くのは仕方がないのかもしれません。

電力会社や大手都市ガスなどは5月請求分から増税分を料金に上乗せ転嫁して値上げすることにしています。

 全企業の99%を占めるとされる中小企業のうち、増税分の価格転嫁はまったくできないとする企業は9割に達するという調査結果もあり、価格転嫁をめぐる取引先間での交渉が軌道に乗らないと景気への影響は避けられないでしょう。

 平成2311月、当時の民主党政権は、「社会保障と税の一体改革」で焦点でもあった消費税増税について、5%の税率を2015年までをめどに2段階で引き上げて10にする方針を決定したのです。この規定路線に沿って今回の増税が断行されたのですが、消費税は低所得層ほど増税の影響を強く受ける「逆進性」が課題となります。

これを補う手法として、低所得者対策として総額3千億円の現金給付が盛り込まれたものの、これには典型的なバラマキとして反対論も目立ち、透明性の高い「軽減税率」の導入の方を求める意見も根強いのが現状のようです。

軽減税率は米や味噌のような日常の食料品や新聞や雑誌など「知識」も対象になっているため、活字メディアが導入に熱心なのもむべなるかなの思いがします。

軽減税率には、社会保障の安定財源の確保が困難になるという意見のほか、適用と不適用の線引きが困難で混乱が生じるという危惧や、社会的な不公平感が拡大する懸念、事務・費用負担増で中小企業の経営が成り立たなくなるからといった反対論も少なくないようです。

平成2710月に予定されている消費税率10%への引き上げ時には軽減税率の導入が必須だとする公明党などに対し、軽減税率が適用されるとインボイス(税額票:仕入れにかかる消費税額を示す票)が必要となり、中小事業者の事務負担が増えるとして、経団連や日本商工会議所など経済5団体はこれに反対する態度を表明しています。

消費増税で懸念されるのはなんといっても景気への影響でしょう。97年の増税時には、アジア通貨危機とわが国の金融危機、不良債権処理のダブルパンチで景気後退は決定的となったものの、今回は当時と事情が違うとする楽観的な識者も少なくないのがせめてもの救いでしょうか。

 昨年9月9日に4〜6月のGDP (国内総生産)の改定値が3.8%増だったことが増税決断の要因と言われていますが、景気対策に万全を期すなら景気腰折れを抑えられるのかどうか、今後の政治の力量が問われることになります。

 平成24年、「消費税増税分はすべて社会保障費に使う」を謳い文句に導入された増税ですが、ゆとりが出来た財政から大型公共事業への大盤振る舞いは増税スタート時からの悪政であり、安易な歳出拡大が赤字国債の膨張を招く悪弊を繰り返して財政再建の公約は保護にされ続けているようです。