信仰の山「御嶽山」噴火! 火山噴火予知の限界?

死者51  行方不明者12?

2014.10.7

 

抜けるような秋空の蒼にナナカマドの紅葉が映える絶好の登山日和。

9月27日、眠りから突然目覚めた御嶽山が噴火、判明しているだけでも51人の犠牲者と12人の行方不明者 (10月7日現在)を出しました。

火砕流などで死者・行方不明者43人の犠牲をだした平成3年の雲仙・普賢岳を上回る戦後最悪の出来事となってしまいました。

 

御嶽山の噴火の歴史については定かではありませんが、約1万年前以降、マグマ放出を伴う噴火や水蒸気爆発を繰り返していたようで、今回は有史以来初の噴火といわれた昭和54(1979)の噴火以降では最大規模となりました。

 筆者が小学校の時には、火山は活火山、休火山、死火山に分類されると教えられましたが、「死火山」と思われていた御嶽山のこの1979年の噴火をきっかけにこの分類がなくなったということです。

火山灰にマグマ由来の物質が含まれていないことから、「水蒸気噴火」とする見解が優勢で、総噴出量100万d程度の「小規模噴火」で、「今後も同程度の噴火が発生する可能性はある」ものの、大規模噴火につながる兆候は今のところ認められないとされています。(火山噴火予知連絡会)

 

 最近、御嶽山では体には感じない火山性地震が増えつつあり、今月11日にはその頻度が85回に達していたそうですが、その後は火山性地震が減ったこともあって、気象庁は噴火警戒レベルを「1」のままに据え置いていたのです。

 今回、噴火警戒レベルを引き上げなかったことが議論の的になっており、慎重を期して引き上げるべきではなかったかという引き上げ肯定派に対し、入山規制をしたとしても、多くの場合に噴火が起こらずじまいで空振りに終わる可能性の方が高く、入山者や地元観光業者の顰蹙(ひんしゅく)をかうことになりかねないという反対派の意見との溝は埋まらないままとなっています。

 

 2009年に24時間監視する活火山として47火山が選定されていますが、今回の噴火を契機に、その周辺市町村の防災対策の遅れと地域格差が目立つという現状が浮き彫りになりました。

 御嶽山には山小屋5ヵ所に防災無線があるだけで、阿蘇山に設置されているようなシェルターもなく、避難計画策定も一部の市町村で設定されているに過ぎないそうですが、降り注ぐ噴石から身を守るすべもなく逃げ惑う登山者の生々しい映像を見るにつけ、シェルターぐらい備えることはできなかったのかなあという思いは捨てきれません。

 

 地球の0.75%の狭い土地に全世界の70もの火山が集中しているという「火山列島」日本。

各地の風光明媚な景観や温泉は火山の恩恵ともいうべき貴重な観光資源なのですが、火山地帯には今回のようなリスクが潜んでいることも忘れてはならないでしょう。

いかに噴火や地震を予知するか、これは自然災害大国ニッポンにとっては避けることのできないテーマです。

噴火予知の中核は気象庁が1974年組織した「火山噴火予知連絡会」が担って、火山に関する情報や噴火予知につながる研究を進めており、その見解をもとに気象庁は噴火警戒レベルを発表する仕組みになっているようですが、レベルの決定すら意見が分かれるようではなんとなく心もとない感がしないでもありません。

文科省の科学技術・学術審議会の部会では、全国の9国立大学が重点的に観測・研究している富士山など国内の16火山を巡り、これまで「対象外」としていた御嶽山を追加する方向で検討を始めたということです。(10月5日、毎日新聞)

いずれにしても君子危うきに近寄らずを貫くしかないようです。湯治すらあきらめて。

 
 遭難された方々のご冥福をお祈り致します。