消費税増税先送りと子育て支援への影響

待機児童のゆくえ

2014.12.2

 消費増税先送りによる社会保障政策への影響が懸念されるなか、1121日、安倍首相は衆院解散後の記者会見で「子育て世代を応援する決意は揺るがない。子育て支援の新制度は来年4月から予定通り実施する」旨の決意表明をしました。

 10%への増税が先送りされた結果、15年度の必要財源は4,500億円も不足することになり、「給付には負担が必要ゆえすべて行うのは難しい」と、低所得者の年金に上乗せする新給付金の創設などとは一線を画して、「子育て支援施策」だけが特別扱いにされた格好になっています。

ところが、1129日の毎日新聞の「待機児童ゼロ困難」とする記事によれば、2017年度でもなお需要に対し整備が追い付かず、0〜2歳児の保育の受け皿は、全国で約5万人分も不足することが厚労省などの調べで明らかになったのだそうです。この様では上に述べた首相の決意は空手形になりかねないでしょう。

「待機児童ゼロ」は、民主党政権時に民主、自民、公明の3党合意に盛り込まれた社会保障制度充実策の一つなのです。安倍政権は2017年度末までに40万人分の保育施設整備を進め待機児童解消の政府目標を立てているのですが、財源がらみの難題の解決は一筋縄ではいかないようです。 

国の支援だけではなく、各自治体も独自の対策に奔走するようになって待機児童解消も視野に入ったとはいえ、整備が進むにつれ働きたい母親も増加、入所希望者も増えて待機児童解消がさらに遠のくというというイタチごっこは今後も続くことになるでしょう。 

保育需要のピークは17年度と見込まれており、安倍首相は成長戦略の一環として「待機児童解消加速化プラン」を実施することにしていますが、国と自治体の思惑違いから保育所整備が整わない結果になりかねない雲行きです。

 保育サービスは多種多様になりつつあり、認可保育所の整備、幼稚園での預かり保育、保育ママなどが提供され、病()児保育においても、施設型のみならず「派遣型」構想も進められてメニューは充実してきています。

 来年4月には「子ども・子育て支援新制度」が始まる予定で、その一環として、幼稚園と保育園を一体化し保育に教育機能を付加した「認定こども園」も推進される予定となっているものの、助成の仕組みの変更で補助金が大幅に減るケースも出るために、一部で認定こども園返上の動きもみられるなど予断を許さぬ展開となっています。