格差社会と子供の貧困

2015.3.10

いま、「格差」問題が話題になっており、経済格差拡大の懸念が世界的に共通の問題とされ、いずれの国でも深刻さを増してその対応に苦慮しているようです。

 フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏執筆による21世紀の資本」がベストセラーになり、「資本主義経済の下では、放っておくと格差が拡大」し、資産を持った人は更に財産が増えて富める者はますます裕福になる結果、さらに格差が拡大するというのです。

 所得格差は教育格差につながり、質の高い教育を受けられる裕福な家庭の子とそうでない家庭の子との教育格差が固定してしまうとしています。 

少子化問題にも若者の貧困問題が影を落としており、結婚や子育て願望があっても思い通りにならず、正規雇用への道の遠さが課題になっています。

 欧州では、保育インフラが充実し女性の就労率が高い国ほど貧しい子供も少なく、出生率も高くなり、結果として高齢化の進展が抑制できるとの発想が強いようです。

平均的な所得の半分未満の世帯で暮らす18歳未満の子供の割合を示す「子供の貧困」率は、2012年に16.3%、ひとり親世帯に限れば50%以上で過去最悪となったため、昨年8月29日の閣議で「子供の貧困対策に関する大綱」を決定し、親から子への世代を超えた「貧困の連鎖」の解消を目指すこととなりました。

日本における子供の6人に1人が「貧困」であり、OECD(経済開発協力機構)加盟34ヶ国中25位、国際NGO(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)の全国調査でも83%の人が「貧困は起きている」と答え、貧困が最も影響を与える分野として「教育」を挙げた人が最も多かったということです(22.10.6、毎日新聞)。

親の経済力や家庭環境が学力を左右しかねず、事実、御茶ノ水女子大が行った全国学力テストの結果、「学力が家庭状況に影響されている実態」が浮かび上がるとともに、親の学歴の影響もさることながら、家庭状況が不満足でも「規則正しい生活習慣」、「読書習慣」、「保護者自身の行動」など家庭の努力次第では向上が可能なことも示されたということです。

政府は、教育費負担の軽減をはじめ、必要な環境整備と教育の機会均等を図る対策の一環として、3〜5歳の幼児教育の無償化を「財源を確保しながら段階的に進める」ことを明確にしています。