トランス脂肪酸摂取の是非 マーガリンが俎上に

2015.6.30

 

 米食品医薬品局 (FDA)は6月16日、食用油などに含まれ心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患のリスクを高める恐れのある「トランス脂肪酸」(TFA) の使用を3年後までに食品添加物から原則全廃することを決定。

 FDAは、06年から加工食品のトランス脂肪酸の含有量表示を義務付けるなどの対策を講じており、消費量を03年から12年までの間に約78%も減少させる成果を上げています(6.29日付産経)。

 

 トランス脂肪酸と言われても聞きなれない名前だなと思われる方もいらっしゃるでしょうが 酸化による劣化が起こりやすい不飽和脂肪酸を安定した飽和脂肪酸に転換する過程(水素を添加して水素化する)や、硬化油の製造過程で発生する物質で、天然の植物油には殆ど含まれてはいないものです。

牛肉や乳製品に含まれているほか、ショートニング、大豆などの植物油を加工・精製して固形にして作るマーガリン、これらを材料に使ったパンやクッキー、菓子類、ドーナツやフライドチキンなどの揚げ物などにも多く含まれている不飽和脂肪酸の一種です。

植物油はオレイン酸、リノール酸、リノレン酸など3種類の脂肪酸が含んでいるものが多く、不飽和脂肪酸も殆どが「シス型」で、適量を上手に摂取すればビタミン・ミネラルの補給や健康維持の強い味方になるばかりか、体脂肪やコレステロール値を下げる機能もあります。

これに対して「トランス型」の不飽和脂肪酸を大量に摂取すると、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させたり、肥満や心臓病に関連するため、03年にWHO(世界保健機関)も1日当たりの摂取量を総エネルギーの1%未満に抑えるよう減量勧告を行った食品の一つなのです。

トランス脂肪酸は母乳を通じて乳児へ移行することが確認されており、妊娠中の摂取には特に注意が必要です。

 

 米国では「食べるプラスチック」と呼ばれることもあり、2000年から02年の米国人一人当たりの1日摂取量は5.6cでエネルギー総摂取量の2.2%に相当、一方日本人は、和食中心のせいか摂取量は1日平均0.7c、総エネルギーの0.3%と少なく、食品安全委員会も「通常の食生活では健康への影響は小さい」と判断し、半ば野放し状態になっているのが現状です(同)。