C型肝炎治療薬 /ハーボニー  驚きの薬価1錠8万17130

費用対効果をみれば 医療費削減に

2015.9.8

C型肝炎の新治療薬が話題になっています。

C型肝炎は、慢性化すると肝硬変や、最終的には「肝がん」を発症することもあり感染者は国内に約150200万人もいると見られている病気です。

C型肝炎では、「インターフェロン」を中心とする従来の治療の限界や副作用が問題にされるのに対して、「ハーボニー」や「ソバルディ」といった新薬は原因ウイルスを体内から完全に駆逐する作用が強く、国内のC型肝炎患者の殆どは完治することが可能になると期待されています。

話題の中心はその効果もさることながら、その薬価の高さです。

C型肝炎患者の約7割を占める「1型」のC型肝炎に有効なハーボニーは1錠8万171円、「2型」に有効なソバルディは1錠6万1799です。

1日1錠を12週間続ける必要があるので、総額500600万円もかかる計算になります。

高価な薬なのですが健康保険の対象になることや、高額医療費助成も受けられるため、患者の自己負担は月に2〜8万円以内で済む計算になります。更に上乗せ助成をしている自治体もあるので自己負担はもっと少なくてすむこともあるでしょうが、保険財政や国、自治体の医療費支出は膨らむことになります。しかし、C型肝炎から肝臓がんになることで必要になる将来の医療費負担を考えると、「費用対効果」の面からみても決して高額とは言えず妥当な範囲だとする意見も少なくないようです。

次期診療報酬改定では、医薬品等の「費用対効果」評価を含む「医療技術評価(HTA)」の試行的導入が予定されていることもあり、費用対効果を保険点数に反映する発想が今後とも重要になると考える意見も強いようです。

2014年度の医療費は、前年度より1.8%増(7001億円増)399556億円になりました(9.4、各紙報道)

これは公的医療保険、公費や患者の窓口負担を集計した医療費の概算なので、全額自己負担分などの費用を加えると、総医療費は40兆円」を超えることは間違いなさそうです。

75歳以上の1人当たり医療費は93万T千円で、75歳未満の21万1千円の4倍以上になっているものの、伸び率は鈍化傾向にあるようです。

高齢者の増加で医療費が年々膨らむ実態を受けて、厚労省が826日に示した2016年度予算の概算要求額は306675億円で今年度当初予算より2.5%増え、厚労省予算としては過去最大になりました。

医療費が増えるのは何も高齢化の進展によるものばかりではなく、上記のような高額薬剤の登場や医療技術の進歩を反映しても増加することになります。このように新たに開発された高額の薬や治療技術が医療保険財政を圧迫しているとする主張も根強いものがあります。

2016年度予算の概算要求総額は2年連続で100兆円を超えて過去最大になる見通しとなっていますが、予算編成作業で一番やりのやり玉に挙げられているのが政策経費の4割を占める社会保障費で、中でも医薬品は市場価格を反映したものにすべきと、薬価の適正化(?)はその最たるものになってはいるのですが。