訪日外国人 最速1000万人突破

 大阪ホテル事情

2015.10.13

 大阪の街を歩いていると、外国人観光客とおぼしきグループに出合うことがしばしばあります。

 政府観光局は916日に1〜8月の訪日外国人数を発表しました。

前年同期比49.1%増の12875400(推計)、通年でも昨年10月の1000万人突破を3カ月も早く達成したということです。910日時点の訪問客も13424000人と推計されています。

増加の背景には円安や訪日ビザ(査証)の要件緩和、海外からのクルーズ船の増加、格安航空会社(LCC)の航空路線拡大などが働いているとみられ、年間では1800万人を超えるという見方が強くなっています。政府は東京五輪が開かれる2020年の年2000万人突破を視野に入れていますが、さらなる前倒しの達成も可能なのではないかと期待されているようです。

 訪日客激増のけん引役はアジア勢、中でも「爆買い」で評判になった中国が前年同期比2.1倍の334.7万人で最多。中国経済の減速から今後は勢いが鈍るのではという懸念も持たれてはいるものの、訪日客数は株価や為替水準だけで決まるものではないので大した影響はないのではないかという見方も示されています。

  これまでの定番だった東京や京都といった「ゴールデンルート」にとどまらず、クルーズ船の寄港なども手伝って地方の街を訪れる客が増えるなど、日本観光の多様化が顕著になり、クルーズ船の寄港による各地域の経済効果は4千万〜2億円に上って地方経済の底上げに寄与しているそうです。この傾向は地方創生という政府の方針や地方自治体の思惑とも合致し、地方への観光客誘導には拍車がかかるだろうと予想されています。

 訪日外国人消費動向調査によると、外国人の消費額は日本全体で3兆円、昨年の2兆円強から大幅に増えることは確実とみられ、政府は4兆円にする目標に打ち出しています。

 「深刻 大阪のホテル業界 ウェスティン大阪民事再生法適用申請」。これは2003年6月の毎日新聞の記事ですが、背景にはホテル乱立による供給過剰と景気低迷、SARS(重症急性呼吸器症候群)の影響などが重なり、生き残り競争はし烈さを増していると報道されています。

 ところが昨年7月の同紙の記事には、「大阪 千客外来 ハルカス・ハリポタUSJ・・・新名所続々」「ホテル満杯『泊まれない』懸念」と様変わり、観光庁によると2014年1〜3月の大阪の客室稼働率は全国で最も高かったというのです。関西を訪れる外国人の消費は2013年の約3380億円から30年には約3倍の9780億円に増えるだろうという試算もなされています。

 浪速京、水都大阪、食い倒れの街とは言いながら、なんとなく野暮ったさが先立つ「ナニワ」、美術館数でも都道府県別で19位という文化度。

「関西復権」の掛け声のもとユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、高さ300bの日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(20143)、グランフロント大阪(20134)、梅田スカイビル(1993)などと集客装置が勢ぞろいしたことを追い風に、ナニワへ大阪へという外国人観光客が増えているのだそうです。

 とりわけ「梅田スカイビル」は、地上40階、高さ173bで2層のビルの最上階が渡り廊下で連結されて空中庭園になっているという世界的にも珍しい特異な構造になっています。

英紙タイムズがギリシャのパルテノン神殿、インドのタージ・マハルなどの世界遺産とともに「世界を代表するトップ20の建物」に選定してからは外国人観光客が急増、英国の旅行ガイドに「大阪の必ず行くべきスポット」として紹介されてからはウナギ上りの人気なのだそうです(2014..25、日経夕刊)