秋の訪れ 運動会の行く末は?

少子化の進展 「1学年1学級」は統廃合?

2015.10.30

季節は移ろい朝夕はめっきり涼しくなってきました。周辺の学校や幼稚園、保育園の運動会も無事に終了したようです。

 運動会といえば、花形の組体操「巨大ピラミッド」の崩壊事故による負傷者の続出が物議をかもしています。巨大化するピラミッドの段数制限の要望署名運動の声が大きくなる一方、正しい組み方が伝わっていないからとか、成功した時の協調性や達成感、自己肯定感などを無視すべきでないという賛成派が入り乱れて結論はでそうにもありません。

運動場に響く歓声は昔ながらですが、少子化が進み、筆者の周りでは1学年1クラス、それも1クラス20人余りという小学校が殆どで、クラス対抗戦もできず2学年がまとめて種目をこなすというあり様です。

 少子化の進展で運動会の運営もままならずという現状で、そのうち、一部の地域を除いて日本のどこででも見られるごく当たり前の風景になるでしょう。

 文部科学省は1月19日、60年ぶりに公立小中学校の適正規模・配置の基準や考え方を示した手引案を公表し、全校で6学級以下(1学年1学級以下)の小学校は統廃合の適否の早急な検討を促すよう自治体に指示しました。

少子化で今後増えるとみられる小規模校のデメリットを解消するのが目的で、統廃合に伴うバス通学も想定、通学時間も「おおむね1時間以内」という新しい概念も採りいれたのです。

小規模校ではクラス替えもなく多様な集団ができず、6年間も同じ仲間だけで人間関係が固定化しがち、1)授業で生徒から多様な発言を引き出しにくい、2)部活動や集団行事が限定される、3)教員同士の指導技術の伝達がしにくいなどの課題を挙げられています。

これが統廃合派の主張の根拠になっているのですが、政府の経済財政諮問会議においても「少子化に対応して小中学校の統廃合をすすめるべき」という意見も出されています。文科省の唱える適正規模で標準通りに統廃合すると1万8000人の教職員を減らすことが可能で、約390億円の人件費の節約に当たるという試算(2015..26、毎日)もあり、財務官僚の本音が集約されているのではないかという見方もなくはないのです。

実際、少子化と過疎化に伴い公立小中学校の統廃合が全国で進んでおり、1950年代後半に約2万7000校もあった小学校は2013年度には約2万1000校に、児童数も約1340万人から約656万人にまで減ったというのです。

これに対して「地域の核」としての学校の存在意義を強調し、若い世代を育成して地域の衰退を防ぐ役割も無視できないとする統廃合に反対する意見も少なくないようです。指針では、小規模校でも統廃合せず存続させて自治体の方針も尊重するとは言っているのですが、教育の質をいかに保つのかが問われている文科省手引案の課題のようです。