中国 一人っ子政策廃止

労働力不足深刻 

2015.11.20  

中国の一人っ子政策は人口抑制を目的に1979年から実施されており、違反した夫婦には罰金が科されるという計画出産政策ですが、出生を届けられず戸籍のない子供は政府が認めただけでも1300万人に上るといわれています。

中国政府は中央委員会の総会(第5回全体会議:5中全会)の閉幕後、「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦に第2子の出産を認めるコミュニケを発表しました。

これを好感して「育児関連銘柄」は世界的なにぎわいをみせ、わが国でもピジョンや花王などの関連銘柄が一時的な株高を演出したのです。

少子高齢化や男女の不均衡といった弊害が顕在化したことや、労働人口(1564)が総人口に占める割合が2016年をピークに下がり続けて成長にブレーキをかけかねないという懸念から、夫婦の一方が一人っ子の場合は第2子を認めるなどの緩和策も進められてきました(2013年〜)

導入されてから30年以上も実施されてきた「一人っ子政策」ですが、ひずんだ人口構成につながるなど、時代遅れであるという意見も少なくはありません。

しかし、この政策を推進してきた政府の産児制限部門「計画生育委員会」50万人以上の専属職員を抱えており、職員の扱いも含めてこの委員会が解体されるかどうかは目下最大の関心事になっているそうです。

「一人っ子政策」に違反したとして、妊娠した女性を病院に拉致して中絶を強要しその家の財産を差し押さえるとか、違反の子供を売り飛ばすなどの人権侵害が批判の対象となったものの、違反者から徴収した罰金は年間4000億円に上って巨大利権団体と化しているというのです(1031日、産経)

2010年にはGDP(国内総生産)で日本を抜いて世界第2位の経済大国に躍り出た巨艦中国ですが、一人っ子政策を廃止したからといっても直ぐに人口増加に結び付くとは考えにくく、若者夫婦の意識や生活習慣の変化もあり、国民の意識調査でも43%が「2人目を望まない」と回答しているそうです。

広東などの沿海部の労働力不足は深刻だそうですが、教育費や物価高騰などが続く限り、生活水準が高くなって豊かな生活を享受している現在の子育て世代が政策転換に反応するとは考えらず、政府が望むような構造改革に成功するのかどうかは極めて不透明、今後は年金基金の不足などが大きな課題になっていくと予想されています。