大震災の傷跡 減災の努力は ?

2016.1.19


阪神淡路大震災発生から21年、東日本大震災からは既に5年経とうとしています。

阪神大震災で被災した私にはもう21年かと感じますが、中にはまだ21年かと、震災を昨日のことのように感じる被災者もいらっしゃることかと思います。

 17日には神戸市など各地で鎮魂の祈りがささげられましたが、震災の教訓をどう活かすかが課題として残されたままのようです。

福島第1原発のメルトダウンの経過や詳細な情報が発信されず、安全性についても確たる論拠がないまま原発再稼働に向けて舵が切られようとしていますが、この現実に抵抗を覚える国民も少なくない筈です。

東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による福島県の人口は、11万5千人の減少 (5.7%) という2015年国勢調査速報値の結果も発表されています。

 原発の稼働停止、円安の影響による火力発電用燃料の輸入コスト増、再生エネルギー導入拡大に伴う消費者負担増(固定価格買い取り義務付けの費用転嫁)、燃料費調整制度などの影響もあって、電気料金は東日本大震災前に比べて約2割(東京電力が約30%の上昇率で最高)も上がっているといいますから、震災と原発破たんの影響は全国津々浦々に及んでいるのです。

 月日とともに大震災の記憶が風化するなか、震災後に流行り詞となった「想定外」という言い訳も同じように風化しています。

首都直下地震や南海トラフ巨大地震への警戒が高まりつつあるとはいえ、地震への備え、特に都市直下地震への対策はなかなか進まないようです。

 首都直下地震が起きると、死者は最大2万3千人、建物倒壊などの被害は最悪61万棟、密集地での出火による延焼で消失家屋は最悪41万棟に及ぶと予想されています。

 巨大地震などの自然災害の防災情報システムの普遍性や迅速な初動対応に課題が残り、自治体間の連携も万全とは言えないのが現実なのです。

行政の対応のみならず、住民個々の意識や備えも十分とは言い難く、備蓄物質、家族との連絡方法、帰宅困難時の対応、自宅倒壊での漏電に備えた感震ブレーカーの設置など、個人の対策も十分ではありません。

教訓をいかに活かすか、どれだけ備えてもそれを上回る災害は起こるのだという可能性を肝に銘じて、被害が最小限に留まる努力を怠ってはならないでしょう。鎮魂。