もったいない?

再び揺らいだ「食の安全」

2016.1.26

 

 廃棄カツの横流し事件は波紋を広げ、思わぬ方向に向かいつつあるようです。

 横流しが疑われる食品は、「カレーハウスCoCo壱番屋」の商品だけではなく、冷凍食品メーカーやコンビニの食品、さらには流通大手のPB(プライベートブランド)商品まで広がる様相を見せています。

廃棄したはずの食品が廃棄委託業者からどのように流通ルートに流れたのか、この業界の体質とモラルが厳しく問い直されています。

 食品関連会社の倉庫からはメンチカツ以外にも108品目の食材が見つかったとされ、関係業者は廃棄物処理法違反容疑で捜査されているようです。

今回の事件の背景には複雑な食品流通の仕組みと闇が垣間見えるような印象がもたれます。

 世界には約8億人という飢えに苦しみ栄養不良に陥っている人々や、にもかかわらず全生産量の約30%にあたる食用可能な13億dもの食糧が廃棄されている現実の存在については、昨年7月7日の本欄「驚くべき“食べ残しの量」で紹介しました。

 期限切れ食品、食品添加物、残留農薬など「食の安全」に関心が高まるなか、昨年4月からは「機能性表示食品」制度の開始、2016年をめどに進められている農産物の安全性を保障する「新しい認証制度」創設など、このところ「食」についての話題は尽きません。

 スーパーや小売店では、「3分の1ルール」という商習慣があり、賞味期限前にもかかわらず「製造日から賞味期限まで」の最初の3分の1までに納入し、その期限を超過した食品は全て廃棄するという建前になっているそうで(2015..7本欄)

何とももったいない噺ですが腐敗していて食べられないという分けではないないので、廃棄を依頼された業者が横流しの誘惑にかられても無理からぬことなのかもしれません。とはいえルールはルール、期限も含めて再考する必要がありそうです。今回の事件でも、3分の1ルールのことは報道されていましたが、食品ロスのことを考えると納品期限を緩和すべきようにも思われます。