「子ども・子育て」改革をどうするか

2016.3.22


 「保育園落ちた、日本死ね」という匿名ブログをきっかけに、待機児童問題に再び火が付いた感があります。

 平成2年の1.57ショツク以来わが国の少子化対策は迷走を続け、出生率や子供の数が上向く気配は未だ見られません。少子化対策に関する明確なポリシーを欠いて効果が得られないまま四半世紀が過ぎてしまいました。

 安倍首相は人口減少対策に重点を置き、「希望出生率1.8」など「新3本の矢」を掲げて「一億総活躍社会」(関連予算約2兆4千億円)の実現を提唱しています。具体的には、待機児童の解消に向けた保育の受け皿拡大や仕事と介護の両立を支援する法改正を進め、これまで目標としてきた「保育の受け皿」も40万人分から50万人分に増やすなどの追加整備、企業が財源を拠出して5万人程度の企業内保育所の整備を進める施策を打ち出しています。

 内閣府が3月19日に発表した公共サービスに関する世論調査によると、社会保障で最も改革を要する分野として、20代の6割、30代の7割が「子ども・子育てを挙げています。全世代の回答では、「子ども・子育て」は「介護」、「健康・医療」に次いで3番目に高かったのですが(それぞれ43.5%、59.7%、50.9%、)、30代に限ると「子育て」は71.0%でトップだったそうです (320日、毎日新聞)

 「子育て」に関する日本生命保険の調査でも、居住地域で保育所や認定こども園が「足りていない」と実感している人の割合は全体の51.9と半数を超え、東京都は66.4%と、沖縄県(73.1)、大分県(71.6%)に続いて3番目に多かったというのです()。逆に「不足」という回答が少なかった県は和歌山県(17.2%)、富山県(17.9%)、石川県(21.1%)と、都道府県の地域格差が大きいことが分かります(319日、毎日)

 大阪商工会議所が仕事と育児の両立支援を重視して、会員の中小企業や子育て中の女性らを対象に実施した保育支援の現状調査によると、事業所内保育所などの社員向け保育サービスを実施していない企業が83.0%に上ったそうです。

事業所内保育所の設置率は3.2%、保育所探しの支援サービス1.6%、ベビーシッター利用料助成は5.3%と低く、仕事と家庭の両立支援や復職支援に課題を残す結果となっています(319日、毎日)。大阪商工会議所が主に中小企業の会員を軸に成り立っているという特性を反映している結果だと思われますが、人口減少などによる人手不足を視野に入れると優秀な人材の確保のためには規模の小さな企業でも、短時間勤務などの支援メニューに留まらず、託児サービスなどを受けた際の経費補助などが必要とされるという意見が強いようです。

厚労省は「待機児童」や「介護の受け皿不足」を同時に解決するため、両方のサービスを一つの施設で提供する「多機能型」の福祉施設の普及を促し、人材や設備を効率よく使えるように、一人の医師が児童と高齢者の両方を診察できるなどのルール作りに乗り出すことも表明しています(319日、日経)