2016年熊本地震」余震頻発

またもや想定外?! 南海トラフへの影響は?

2016.4.19

 4月14日夜、熊本は震度7の地震に襲われ、16日午前1時25分頃には再び震度6強の本震に見舞われて甚大な被害を受けました。

今回の地震は「横ずれ断層」型の内陸地震で、前例のないくらいの頻発余震は未だ減衰する気配すら見せてはいません。今も余震は激しく、マグニチュード(M)3.5以上の地震は18日午前現在で177(震度1以上は568)と過去最多を記録。本震を超える余震はないというのが従来の通説でしたが、一連の地震活動は特殊で、どこまでを余震ととらえるかは判断しづらい面もあるため、気象庁は「余震回数」という表現を控えて「地震回数」と改めることにしたそうです。

地震はさらに熊本市や益城町から阿蘇へ大分へと周辺に地震の連鎖を引き起こして拡大、震源域がどこまで広がるのか予断を許さない状況になっています。

避難者は9万4121(19日現在。4.17199609)、この地震での犠牲者は44人、行方不明者は9人となりました。避難生活の長期化はさけられず、体調を崩したり肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を誘発して震災関連死に至る方もおられると思われます。

お亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表したいと思います。

気象庁は14日の地震が「前震」で、16日未明の激震が「本震」だとの見解を発表。本震のマグニチュード(M)7.3、震度7を観測した14日の前震(M 6.5) の約16倍のエネルギーと推定されることから、平成7年の兵庫県南部を襲った阪神大震災に匹敵すると結論づけています。(M1増えるとエネルギーは31.6)

その後も余震が多発するばかりか、16日朝には阿蘇山が小規模ながら噴火し、地震との関連性が懸念されるところですが、否定的もしくははっきりしないというのが現在の見解のようです。

本震の震源と考えられている布田川(ふたがわ)断層帯を北東に延長した方向に当たる阿蘇地方や大分県など離れた地域にも大きな地震が広がってきています。

数日経たぬうちに震源域が長さ100`bを超えて広がるという地震学の常識を覆す前代未聞の活動だけに、「予測は困難」というのが気象庁の本音のようです。

九州全体にたまったひずみが、断層の滑りやすい場所から順番に解放されて地震が起きている」との九州大学地震火山観測研究センターの松島准教授の見解も紹介されています(4月16日、日経夕刊)

このような地震連鎖説に対して、熊本地震とは別の地震とする見方も気象庁にはあるようで混乱、地震活動の一段の広がりに警戒が高まっています。

南海トラフ地震への影響が何よりも危惧されますが、九州、四国、関西などを横断する「中央構造線」という巨大な断層構造が横たわっているだけに予断は許されません(416日、日経夕刊)。もし内陸型直下地震が頻発するような事態や、日向灘の海底地震が誘発されるようなことがあれば「南海トラフ」巨大地震の足音が一気に近づくという意見もみられます。両者には関連性はないとする説も気休めにはなりますが、警戒を怠らないことが必要でしょう。

今なお続く震災、「九州は大地震と縁がない」と思い込んでいた人々の度肝を抜いたことだけは確かでしょう。阪神間は地震と無縁であると信じていた筆者にとって阪神淡路大震災は青天の霹靂でした。われわれは地震の巣の上で生活していることを今回の大地震が改めて知らしめてくれました。

地震列島と呼ばれる日本にはざっと2000の活断層が存在し、未知の活断層を加えると5000を下るまいと言われています。どこで大規模地震に遭遇しても不思議ではない環境にいることを忘れてはならないでしょう。

南海トラフ巨大地震(マグニチュード9.1を想定)が30年以内に起こる確率は70%と推定されており、内陸地震が頻発する時は要注意であることも既に述べました。大震災に「想定外」はありません。

度重なる大震災に学び、古い木造家屋の危険性を認識し、英知を集めて大震災の被害を最小限に食い止めること、地震の知識を身につけ例え災害に見舞われても生命だけは救われるよう知恵を働かせる「減災」、これらは残されたわれわれに課せられた使命とも言えるでしょう。

避難生活は健康な若者にとっても辛いものです。ましてや高齢者、幼い乳飲み子を育てておられるご両親には過酷な毎日であることは想像に難くありません。余震が鎮まり、一刻も早く避難生活にピリオドを打つことができることを祈っております。