強震連鎖 熊本地震 余震鎮まらず

長引く避難生活、懸念される健康状態

2016.5.10

震度7の前・本震後も震度1以上の余震が既に1300回以上も続いている前代未聞の熊本地震。建物が倒壊してなくても余震の不安が先立って自宅に帰宅するのをためらっている人が少なくなく、避難者はまだ約1万3千人に上っています。

熊本地震を大規模災害復興法に基づく「非常災害」に指定する政令が本日の閣議で決定され、復旧など自治体の事業を国が代行できるようになって復旧は多少でも加速されることが期待出来るでしょう。  

震災による死者は49人、安否不明者1人、震災関連死18人になりました、ご冥福をお祈りいたします。

被災地の生活インフラ再建は道半ばで、長引く避難生活のため体調を壊す人、車中生活で窮屈な姿勢を続けた結果のエコノミークラス症候群、熱中症にかかる人など新たな健康問題が浮上してきており、余震の揺れがない時でも「地震酔い」を感じる人さえ増えてきているそうです。

その後、地震は阿蘇地方や大分県側にも拡大し4月29日には大分県で震度5強の地震が起きたこともあって、地震の広域化、阿蘇山・九重山の噴火への影響など、「地震の連鎖」についての明確な見通しが立たない点も不安を増長しているように思われます。

阪神淡路大震災、東日本大震災で学んだはずの教訓は今回も活かされたとは言えず、防災・減災という課題が又しても壁として立ちはだかっています。

混乱の基は地震学者によって見解が異なることにも起因しているのでしょう。熊本地震の影響が四国から近畿に及ぶ国内最大級の断層群「中央構造線断層帯」に及ぶかどうかについては、専門家の間でも意見が分かれているようです。

地震の震源域がさらに拡大し「南海トラフ地震」と関連することはないのかどうかについても「ない」とする地震学者が多数派なのに対して、否定できないとする意見もあり、憂いがないと断言できないところに歯がゆさが残ります。

この曖昧さは、「地震の前兆現象から予知」へという極めて困難な課題から来ているとも思われます。地震後、「九州を横切るように地殻が2つに分かれて押し合い、九州地方を横断する震源域にひずみが蓄積しやすい状態だった」との解析結果も出されているようです。東日本大震災の時と同様、どうも後出しジャイケンの感がしないでもありません。

地震予知は不可能と考えている地震学者もあり、阪神淡路大震災以来20年の月日を経ても地震学は余り進歩がないと感じるのは筆者だけでしょうか。  

阪神淡路大震災当日、地震学の権威がテレビで語った言葉が今でも耳に残っています。「地震の予知、予知と言っているけれども、予知ができるかどうかの研究をしているのであって、地震予知の研究をしているわけではない」と。

東日本大震災や今回の熊本地震を経験した今でも、地震予知の研究に期待するのはなかなか難しいのではないでしょうか。地震の予知なんて夢物語で、研究費を助成してもらうために「予知」を方便にしていると言い切る地震学者すらあるくらいですから。