混乱と混沌の一年の幕開け

2017.1.10

新年明けましておめでとうございます。健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。

年末の日米「真珠湾の和解」が世界の平和と安定の礎になるのではという期待が膨らむ一方で、反グローバリズム、ポピュリズムやヨーロッパにおける極右の台頭、トランプ米次期大統領の登場などがもたらす様々な混乱に翻弄されかねない不透明な年明けとなりました。

正月各紙はやはり「人口減少」を取り上げている新聞が少なくないようです。昨年生まれた赤ちゃんの数(出生数:2016年人口動態統計の年間推計値)981000人と初めて100万人を下回り(出生数:2016年人口動態統計の年間推計値)、現在1億2700万人(正確には1億27094745人:2015年簡易国勢調査確定値)の総人口も30年後には1億人を割って、百年後には4千万人に減じて社会に深刻な影響がもたらされるのではと予想されています。

「国土の大きさから言って人口は至適な規模で、人口が減れば経済は成長しないという主張は正しくない」とする識者もおられるようですが、少子高齢が進んで社会を主に支える現役世代が極端に少ないといういびつな年齢構成に懸念が集まっています。

財政赤字はさらに膨らんでそのツケは次世代−今の子供たちに回されることになります。現役世代の将来不安や年金不信は根強く、社会保障制度の破たん、地方では消滅都市が続出するという地獄のシナリオが現実のものとなりかねず、将来展望や解決への道筋が示されない歯がゆさが先立ちます。

子育て支援を社会保障に位置づけるという発想が求められますが、子供は国が支えてくれるのだという安心感が育たない限り出生率が上向く期待はかなえられそうもないでしょう。

低賃金で生活基盤に不安の残る非正規雇用の若者の増加は未婚率を押し上げ、たとえ結婚しても経済的理由から子供を育てるのに抵抗感を大きくしている要因を取り除かないと、人口減少に歯止めをかけることは夢のまた夢になりかねません。

労働力不足が深刻になるにつれ、海外からの労働力に頼る選択肢を真剣に考える時期に差し掛かっているとはいえ、島国ニッポンの特殊な社会や独自の規範意識が他民族を素直に受け入れることを許すかどうか、試練の日々に遭遇するのはそう遠いことではないかも知れません。