人手不足 深刻に !

本格的な人口減少の現実

2017.2.28 

 わが国の人口減少は次第に深刻になってきており、既に41道府県で人口が減り始めています。

現在のままの人口を維持するのに必要な出生率を「人口置換水準」と呼び「2.07」を保つことが求められますが、2015年には2年ぶりに上昇して1.45になりはしたものの2.07には程遠く、たとえ出生率が上がっても生まれる赤ちゃんの総数は減り続けたままなのです。

事実、厚労省が昨年12月に発表した出生数は、前年比2万5千人減の98万1千人と初めて100万人を切る事態となり、その結果、総人口の自然減は315千人となりました。2060年には年間出生数が50万人に届かないと予想され、わが国は徐々に消滅への道をたどることになりかねません。

 このまま行きますと日本の人口は2050年には1億人を割ると予想されるため、政府は「ニッポン1億総活躍プラン」を提起し、「希望出生率1.8を当面の目標にすえたのです。28年前の1.57ショック」以来、育児支援や結婚支援などさまざまな少子化対策が講じられてきた挙句が今の1.45ですから、1.8達成がいかに難しいものであるかが分かろうというものです。

 狭い国土のわが国なら、もっと少ない人口の方が適当なのではという意見もありますが、人口減は経済の縮小・停滞に直結する事態であり、経済活動、社会福祉や年金制度など、日本社会が長年にわたって築きあげて来た現在の高みが崩れる序章となりかねません。

 人口減少に歯止めがかからないのであれば、成熟社会の夢を追い続けることなく、減ったなりの人口を前提とした効率的な仕組みに転換していくことが大切なのではないかと思われます。

 米国のトランプ政権誕生に伴って移民や外国人流入についての議論が盛んになっていますが、日本でも、人口減少対策として外国人の積極的受け入れが検討し始められていると伝えられています。

 頭脳労働者や技術者など、高度労働者のみを受け入れようという虫のいい発想も見え隠れするようですが、本格的な導入が進めばそのような選り好みが通用するとは思えず、どのような調整を図るかは重要なテーマとなると考えられます。

 歴史的な経緯もあり、地続きの欧米と違って島国の日本人は外国人に対して寛容でない部分も少なくなく、いかに融和を期して違和感を払拭していくかが今後の大きな課題となるでしょう。

 宅配便のトラックを見かけない日はないでしょうが、宅配便国内最大手のヤマト運輸が荷受量を抑制する方向で検討に入ったという記事が224日の新聞に載っています。ネット通販の普及などで取扱量が激増したこともありますが、深刻なドライバー不足や夜間の時間指定サービスの普及などにより長時間労働が常態化し、ドライバーの負担感が強まっているからと解説されています。

 宅配だけではなくコンビニや飲食店の人手不足も深刻で、営業時間を短縮したり深夜業務を中止にする店が相次いでいるようです。

 利用する側としては多少の不便は我慢しないといけないのでしょうが、人口減少がもたらしている人手不足はこれほどまでに深刻なのだという認識が求められそうなひとこまではありませんか。