春爛漫 の入学式

はれ() と け()

2019.4.14

4月も第3週に入り、既に入学式を終えた学校が殆どだと思われますが、桜は例年に比べ散るのが遅いようです。満開の花を長く愛でることができ、桜好きの筆者にとっては応えられない幸せな春となりました。

 小学校の校医をしている関係で、小学校の卒業式と入学式に出席する機会がありました。去りゆく者、新たに来たるもの、力いっぱい頑張ってくれることを願っております。

 毎年の式の場で感じることがあります。

 出席者の服装が年々派手になりゆくことです。数年前までは、生徒も保護者も普段着に近い服をまとって来場しておられましたが、今や、卒業する女子は袴履き、男子はスーツ姿にネクタイというのが当たり前になりつつあることです。

 ここで思い浮かぶのは「はれ() と け()という言葉で、卒業式にしろ入学式にしろ「晴れの日」に違いはありません。

なにも袴まで揃える必要はないでしょうが、それなりの身なりと心がまえで式に臨むのが当たり前とは思います。着ているものだけで判断するのは早計とはいえ、少し前までは必ずしもそうではなかったと感じていました。

最近は、「ハレとケの区別」があいまいになってきたと言われています。

 「ハレ」は「晴れ」で祭りや儀礼など「非日常」を表し、「ケ()は「普段」や「日常」を意味し、TPOを実践するコトバとして使われてきたのです。

 平成2年に「少子化」が問題になった時、対策の一環として、季節の行事や折り目を重んじる躾や教育を身に着けさせることが大切であるという提言も見られたのですが、最近はあまりそのような意見は見られないようです。

 「よそ行き」という昔懐かしいことばもあります。一昔と違って、初詣もよそ行きで着飾って出かける人が多くなって来たようにも見えます。このように、誰言うともなく日本人が「ハレとケ」を区別するようになってきたのはある意味好ましい傾向であるようにも思われます。

 学校の公式行事に出て感じるもう一つのことは、夫婦そろって出席されている親御さんが少なくないことです。イクメンで象徴される父親の育児参加が強調される風潮もあってお父さんが卒業式や入学式に揃って望まれるのはほほえましいことですが、式は平日というのが当たり前ですからお父さんは休暇をとられていることになります。子供のハレの日に休暇を取って一緒するのが当たり前になってきたのもお母さんにとっては心強いことでしょう。ただ職業によっては簡単に休みを取るわけにはいかず、寂しい思いをする子供もあるでしょう、難しいところです。

「『仕事より家庭』は無責任か」

これは2014年5月26日づけ毎日新聞の記事です。埼玉県の県立校で、1年生担任の女性教諭が入学式を欠席し、同じ日に別の高校であった息子の入学式に出席した事実が広まって、物議をかもし、「教師として無責任」論と「教師も一人の親」擁護論がぶつかり世間を賑わしたという事件がありました。

【『聖職』である以上、個人的理由の優先は許されないのか。同じ立場にある教師たちからは、同情する意見が聞かれる。無責任論と擁護論が渦巻く中、二者択一で簡単に結論を出せるのか。 ワークライフバランスが強調される世の中、子育てとの両立に悩みながら働く女性らは教諭に自らの姿を重ね、職場の理解が進まない現実を憂う】と記事は結んでいるのですが。

 式への父親の参加が進む中、そうはいかない家庭はどうすればいいのか、子に寂しい思いをさせないためにはどうすればいいのか、世が世だけに答えは簡単に出そうもないでしょう。