教育無償化は可能か?

財源は「こども保険」案

2017.5.23

 

幼児教育や保育を実質無償化しようという構想が示され、その財源は「こども保険」でまかなおうという提言が明らかにされています。

日本の教育への公財政支出は、GDP(国内総生産)3.3%で、OECD(経済協力開発機構)加盟31ヵ国中最下位、公財政支出全体に占める教育分野の割合も9.4%で最下位になっています。反対に、教育支出に占める家庭などの私費負担の割合はOECD平均の2倍以上の33.6%と家計への負担が重く、これが格差を生むもとで、子供の貧困を強めて少子化の原因にもなっていると言われています。

平成253月、中央教育審議会は以後5年間の教育行政の指針となる「第2期教育振興基本計画」の素案を明らかにし、先進国に比べて少ない「教育費への公財政支出」をOECD並みにする目標を挙げています。

 教育無償化には数兆円規模の財源が必要と見込まれており、恒久的な財源として@こども保険、A消費税、相続税、所得税などの税制改正を行って捻出、B教育国債の創設などが想定されています。

全ての国民が広く薄く負担するという点では優れている消費税も、201910月に予定の増税分は使途も既に決まっていて(うち子育て財源7000億円は用途決定)10%超への引き上げなどは夢のまた夢、教育国債も赤字国債の増発にすぎず子や孫などの将来世代にツケを回すだけというので、慎重論が優勢なのです。

年金、医療、介護などの社会保険料は約15%で、給付の大半が高齢者向けとなっており、少子高齢化が進む中、社会保障の持続可能性が危機に瀕しているのです。

高齢者偏重型の社会保障から全世代型の社会保障へという発想に基づいた「こども保険」は「子供を社会全体で支える国づくり」を理念に、小泉進治郎衆院議員を中心に提案されたもので、新たに社会保険料を上乗せ徴収して財源にするという趣旨です。

 厚生年金の場合、15.275%の社会保険料について個人、事業者とも当面0.1%分を上乗せして徴収し、約3400億円の財源をねん出、将来的には0.5%分まで引き上げて約1.7兆円を確保し、世代間公平を保ちつつ、教育の実質無償化につなげようという構想のようです。