しつけ、それとも虐待?

しつけに悩む親 お尻ペンペン 紙一重!

2017.8.22

 

 しつけか、虐待か、線引きの難しいのが子どもの適切な叱り方というものでしょう。

中でも、昨年6月に北海道の林道での7歳児置き去り事件は、その特異性のゆえに、しつけか、虐待かで物議をかもした出来事でした。

平成23年には大阪市城東区で、昨年4月には奈良県生駒市でも、収納ケースなどに閉じ込められて窒息死した事件なども報道され、叱り方の難しさが世間の話題を呼びました。

 これらの事件の背景には、適切な叱り方に慣れない親の未熟性や、親子をとりなしてくれたお爺ちゃんやお祖母ちゃんがいないという核家族化が作用しているのではないかという分析もなされています。

2016年度に全国の児童相談所(児相)が対応した児童虐待件数は、前年度比18.7%増の122578件で、1990年度に統計を取り始めて以降、26年連続で増加したそうです(8.17日各紙)。

中でも、言葉や態度で子供を傷つける「心理的虐待」が6万3187件で全体の52%を占めたのが目立ち、身体的虐待が26%、ネグレクト(育児放棄)21%と続く結果であったといいます。

子供の前で親が配偶者には暴力を振るう「面前ドメスティックバイオレンス(DV)心理的虐待に当たり、これが世間でも広く認知されるようになってから、警察からの通報も増える傾向が続いているようです。

 しつけとしての体罰が成長に悪影響を及ぼすかどうかを巡っては議論があるものの、「悪いことをした時にお尻をたたく幼児への体罰は、約束を守れないなどの問題行動につながり、しつけとして逆効果」という研究成果が、今年7月の「国際子ども虐待防止学会」の学会誌で発表されたという報道がありました

(7.31、毎日夕刊)

この記事によれば、3歳半の時に保護者から体罰を受けていた子供は、全く受けていなかった子どもに比べ、5歳半の時に、「落ち着いて話を聞けない」という行動のリスクが約1.6倍、「約束を守れない」という行動のリスクが約1.5倍になるなど、問題行動のリスクが高いことがわかったというのです。

 虐待に至らない程度の体罰が子どもに悪影響を及ぼすことを明確に示した研究で、「しつけ」は子どもが自分で自己調整能力を高めるための支援であり、恐怖で行動を制御しようとする体罰は逆効果だという識者の意見も述べられています。

お尻ペンペンは、おとなが一時的な感情を子どもにぶつけているだけで、しつけにはなっていないということなのでしょうが、分かっちゃいるけど・・・というのが親の本音というものでしょうか。