混迷極める政局

「国難突破解散」?! 消費税使途が争点、今月22日投開票

2017.10.3

 安倍首相は9月28日の臨時国会冒頭で、北朝鮮問題と少子高齢化への対応を軸に「国難突破解散」と銘打った衆院解散に踏み切りました。

少子高齢化を克服するには社会保障制度を「全世代型」へと大きく変換しなければならないと述べ、平成3110月に予定される消費税率の8%から10%への引き上げに伴う税収の使い道を変更すると表明。約5.6兆円の予定税収増のうち、約2億円を幼児教育の無償化などの子育て支援にあてるという方針転換に踏み切ろうというのです。

内閣府の試算によると、3〜5歳児の幼児教育・保育を完全に無償化すると約7300億円、更に0〜2歳児教育も完全に無償化すると約4400億円、合計1兆1700億円も要すると見られています(.30、毎日)

消費税引き上げは社会保障・税一体改革の柱、財政規律是正という課題もあって予算編成での歳出抑制の機運は年々激しくなっています。

選挙で投票率が高い高齢者に過度に配慮した「シルバー民主主義」から抜けられずにいる自民党の体質からは、子育て支援への配慮は選挙目当ての付け焼刃とはいえ、それなりに評価に値する施策と言ってもいいのかもしれません。

 増税による増収、従来は5兆円の税収のうち4兆円を借金返済に、1兆円を社会保障の充実に充てるというのが既定路線でしたが、唐突に4兆円のうち2兆円弱を「人づくり革命」に資すると変更。これで、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)    の黒字化は露と消えたことになります。これに対し、「財政再建には回さず全額受益に」を唱えていた民進党からは「選挙の争点隠し」の批判を、風雲・小池新党からは増税凍結を突きつけられています。

 「国の借金」は昨年9月末時点で10625745億円(国民一人あたり約837万円)これをいかに減らすかという「財政再建」は喫緊の課題となっていた筈なのです。国債発行残高だけでも865兆円と税収の15年分に達し、うち日銀が432兆円を保有(920日現在)、歯車が狂うと経済危機の誘因になりかねない危険領域に踏み込んでいるのです。

国民一人あたりという表現は誤解を生じやすく、国が発行する「国債」の94.5%は国内で購入されるので、国の借金の殆どは国民から借りている国民の資産とも言えるでしょう。

厚労省は今年4月の待機児童数を2万6千人としていますが、野村総合研究所は、定義に含まれない希望者も合わせると34万6千人になると、約13倍の開きのある推計値を発表しています。問題になっている増税の使途としては、待機児童解消に向けた保育の受け皿整備もあがってはいるのですが(.30、毎日)

5月23日号の本欄で「教育無償化は可能か?を取り上げ、その財源は「こども保険」

まかなう構想の内容でしたが、何はともあれ「財源」あっての話となりそうです。