2025年問題」切実に

2017.11.7


 「2025年問題」という言葉が盛んに登場するようになりました。

15年度の社会保障給付費118兆円は、25年度には148兆円へと膨れ上がると推計されています。

8年後の2025年になると、団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者になるため、日本人の5人に1人は75歳以上に、3人に1人が65歳以上という超高齢化社会が出現するのです。

健康な高齢者ばかりだと問題はないのですが、男女合わせた日本人の平均寿命は84歳で世界一とはいえ、高齢でも自立生活が可能な「健康寿命」は男性が71.19歳、女性は74.21歳で、平均寿命と健康寿命の差812年は家族や介護制度のお世話になることになります。大量介護の時代がやってくるのです。

 わが国でもWHO(世界保健機関)も、高齢者とは「65歳以上」と定義されており、これを基に社会保障制度の仕組みは設計されています。元気な高齢者が増えた今、この高齢者の定義を75歳以上に引き上げるべきだとする日本老年学会や日本老年医学会の見解は前にもこの欄で紹介したことがあります。

現在の高齢者は3461万人で総人口の27%を占めており、6574歳は准高齢者という区分になっています。准高齢者層が働き続けて社会を支える側に回ることができれば、社会保障などの持続可能性は見通しの明るいものとなります。しかし介護人材の不足は悲壮で、25年度には約38万人の介護職員の不足が発生すると予想されています。

この健康寿命を押し下げる要因はロコモとかフレイルという状態で、ロコモとはロコモティブシンドローム(運動器症候群)、フレイルは虚弱のことを指し、低栄養で筋力の低下、骨や関節が衰えて生活機能全般に支障が出始め、要介護の入口になります。

ロコモやフレイルを予防できれば健康寿命の延伸が期待できるのですが、高血圧や糖尿病などのメタボほど関心が高くないために認知度はもう一つというのがネックになっています。

2020年の東京五輪でスポーツ全般への関心が高まっている時期だけに、スポーツを初めとする健康ビジネスはなお一層の隆盛を見せることになるでしょう。健康増進意識は子供の時から植えつけておくことが何よりも大切です。