日本のものづくりに 赤信号!

2017.12.1

  東芝の経営危機にはじまり、タカタ、東洋ゴム工業、日産自動車やスバルでの無資格従業員による車両検査問題、さらには、神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レと品質データ改ざん不正は留まることを知らず、ブランドイメージは失墜してしまいました。

神戸製鋼所などが扱う素材は、航空機や鉄道車両、自動車などに幅広く使われており、安全性に問題はないのかが関心の的になっています。この1127日に再稼働への同意が得られていた福井県大飯原発34号機は、原発の関連機器に使われている神戸製鋼所の部品の安全確認作業が長引き、2カ月ほど再稼働が延期され、再稼働後に予定されていた電気料金の値下げ時期も不透明になるなどのとばっちりを被るハメになりました。 

「品質偽装」! 世界に冠たる日本のものづくりはどこに行ってしまったのでしょう、日本の製造業に対する信頼が揺らいでいます。

 昨年「オートファジー」の仕組み解明で3年連続日本人25人目のノーベル賞を授与された大隅良善教授の功績に、日本の科学技術の光明を見たものでしたが、イノベーション(技術革新)の先頭をきり、高い品質で世界をけん引してきた科学技術立国ニッポンの揺るぎは、思わず首を傾げたくなる出来事です。

東芝事件はテクノロジーそのものの是非ではなく、ガバナンス(企業統治)が機能していない弱点が露呈した感がありますが、自動車業界における不正は組織ぐるみの不祥事で、不正は数十年間も続いていたというから驚きです。

不始末の背景には利潤を追求するあまりの安易なコスト削減や収益至上主義があり、日本の産業現場の力が全般的に劣化したとする見方は短絡的過ぎるという意見も根強いようです(1122日、毎日新聞)

団塊世代の大量退職による人的資源の不足や技能継承の困難さ、設備の老朽化などは以前からの懸念材料でしたが、現場力の長期変動と最近の不正行為発覚の間には因果関係は認められないとする意見を信じるべきなのかもしれません(同、毎日)。日本の製造業の構造的な問題に根差したものでなければ良いのですが。

法規や標準などに関する逸脱行為は最近に発生したものではなく、長きにわたり隠ぺいされ、最近になって発覚というだけ根の深さを感じます。露呈した企業以外は果たして問題ないのかどうか、どこも同じとなれば事は重大です。

さらに最近は、日本が誇る技術の海外流出も憂うべき課題となっています。業績不振の大手企業がリストラに走り、ベテラン技術者が失職し海外の企業に引き抜かれて長年培かわれた技術が海外で発揮されている事実です。海外メーカーの技術向上でシェアが逆転、日本企業はさらなるリストラを迫られるという悪循環の構図が定着してきているといいます(2012.9.26、毎日)

 日本の企業で身につけた技術を海外のメーカーで発揮されたとしても、それを証明するのは困難で、対策はいかに流出を防止するかにかかっています。

日本の不正競争防止法では、社員が在職中に他社から依頼を受けて技術を流出させれば刑事罰の対象となるものの、元の職場で得た知識やノウハウを新たな就職先で活かすことまでは制限されないというのです。

AI(人工知能) ということばを見かけない日はない昨今ですが、日本はAIの潮流からも遅れをとりつつあり、「日本経済の持続的な成長にはイノベーションの強化が欠かせない」と安倍首相は危機感を募らせ、今月16日には、「総合科学技術・イノベーション会議(システィ)」の司令塔機能の強化を提言しました。

「災い転じて福となす」。 「日本のものづくり」不信がいち早く払拭されんことを!