風が吹けば桶屋が儲かる?

 地球温暖化などの環境問題や原油価格の高騰から、ガソリンと混合して使用するバイオエタノールの製造・利用が世界的に広がりつつあります。そのあおりを受けてオレンジジュースや豆腐、パンなどの価格が上昇しそうだという話です。

 これを聞いて、原油価格の高騰とオレンジジュースと一体どういう関係があるの?と思われる方がほとんどではないでしょうか。

 バイオエタノールはサトウキビやトウモロコシなどのバイオマス(生物資源)を絞って作られるアルコールで、宮古島はじめ全国5ヵ所で実証実験が進められています。バイオマスは、その成長過程でCO2を吸収するという一石二鳥の効果も期待でき、今や地球温暖化防止の切り札として熱い視線を送られているのです。

またバイオエタノールは廃木材からもより安く作ることができ、その世界初の製造施設が本年1月に堺市に完成しています。

 原油供給の不安定さなどに対するエネルギー安全保障の面から、米ブッシュ大統領は国を挙げてのバイオエタノール利用推進の大号令をかけ、ガソリンの年間消費量を10年間で20%削減する目標を掲げました。これに呼応して米ゼネラル・モーターズなど大手3社はエタノール車の生産を2010年までに200万台に倍増し、米国で販売される新車の1割以上にしようという計画を明らかにしています。

わが国でも、2030年までに自動車ガソリンを半減させる目標を立て、ガソリンにエタノールを3%混入する「E3」への取り組みを進めています。

現在市販されている新車はすでにE3ガソリンに対応可能になっているそうですが、さらに2020年にはE10(バイオエタノール10%混合)の供給開始を、2030年には全量のE10を目指して関係法令の整備を進め、見直しが図られている京都議定書目標達成計画にも反映されることとなっています。

 このようにバイオ燃料の需要が膨らむ中、米国では大豆をトウモロコシに転作する動きが加速し、このトウモロコシ特需が価格上昇(エタノール・インフレ)を招いて、その6割近くが飼料として使われている牛や豚などの畜産物の価格上昇につながりかねないという懸念がもたれています。またブラジルなどではオレンジ畑がサトウキビに転作される事態が相次いでいるため、オレンジの価格が上昇に転じ、これらを原料とするジュースの値上げは避けられないということになったんだそうです。

 温室効果ガス削減の切り札と期待されるバイオエタノールですが、その効果は限定的で化石燃料より大気によいとは限らないという懐疑的な見方も一方で出されています。増産のために熱帯雨林が伐採されその結果としてCO2排出量が増えるようなことにでもなれば何のための地球温暖化対策かということになりかねません。

 効果に疑問符のつく施策となれば、欣喜するのはトウモロコシ農家やバイオエタノール関連産業くらいで、ジュース好きの子ども達にはとんだとばっちりということにもなりかねないようですね。


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