少子化と格差社会@



平成16年に生まれた赤ちゃんの数は111万1千人で、前年の15年に比べて1万3千人も減少したということです。

1人の女性が生涯に産む子どもの平均数である合計特殊出生率も1.28915年は1.291)で過去最低記録を更新し、「超少子化国」(人口学上の定義で合計特殊出生率が1.3未満の国−17年度・少子化社会白書の採用)となって、死亡数が出生数を上回る「人口減少社会」が現実のものとなりました。

政府の危機感も強く、昨年5月には「子育て支援官民トップ懇談会」を立ち上げて、企業には社員の育児支援を促し、地方自治体にも少子化対策の推進を図るように訴えています。

17年版・少子化社会白書」によれば、14年度に社会全体が負担した18歳未満の「子育て費用」は推計で総額38.5兆円に上り、子ども1人当たりに換算すると年間173万円が必要となっているそうです。

このうち国と地方自治体の負担分は20兆円で、負担率は対GNP比4.0%にすぎません。

子どもをもつ女性の7割が「経済的支援の充実」を求めている事実も強調されています。

白書はこうも言っています。

社会全体で若い子育て世代を支援し、少子化の流れを変えなければならない」とも。

しかし現実はというと、社会保障給付費に占める高齢者関係給付費は59兆円を超えて70.4%を占めていますが、児童・家庭関係への支出はわずか3.8%にすぎません。

このバランスを見直し、児童手当など児童・家庭関係の給付費を増やして、少子化対策の充実を図ることの重要性を、白書は初めて訴えたのです。

今や「仕事と育児の両立支援」は、社会の閉塞を打ち破るべき方策のキーワードとなっていますが、少子化対策に向けられるべき予算不足など財政的な問題、企業の姿勢や雇用環境がそのハードルを高めているというのが現状と言えましょう。

 「格差社会」は、前半国会の4大争点の一つであり、衆院千葉7区補欠選挙でも与野党の対立点となったばかりか、「格差」への対応は今や「ポスト小泉」選の主テーマにもなりつつあります。

選挙結果がすべての民意を反映したものとは言えないでしょうが、多くの国民が格差の拡大を実感していることを否定できない結果と言えなくもないでしょう。

小泉首相はというと、1月の衆院予算委員会で「言われているほど格差はない」との認識を示し、更に2月には「格差が出るのは悪いこととは思っていない」と答弁し、「勝ち組、負け組という言葉があるが、それが固定せずさまざまなチャンスが与えられる社会が好ましい」という持論を展開しています。

格差の広がりがあるのかないのか、あるとしたらその程度を検証することも大切な作業と言えるでしょう。


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