少子化と格差社会 A

 子ども・子育て応援プラン(新新エンゼルプラン)には、05年4月から5年間で取り組むべき新しい「少子化対策」が盛り込まれています。

 過去の対策は、保育サービスを中心に、延長保育などの数値目標が掲げられていましたが、今回の応援プランではそれらに加えて、「働き方の見直し」や、「若者の自立」、更には、「男性の育児休暇取得率の向上」など企業や地域の取り組みなど、04年6月に策定された「少子化社会対策大綱」を具体化する内容となっています。

 保育所の充実など仕事と子育ての両立支援策は、少子化対策の大きな柱には違いはなく、ぜひとも充実されればならない施策といえます。

 しかしながら、このような支援策を推進しても出生率の向上につながるかといえば、答えは極めて悲観的と言わざるを得ません。

 どうしてかと言うと、仕事と子育ての両立が難しい事が、親が希望する人数だけの子どもを持てない理由の一つになっていることは確かな事実ではありますが、今や大きな要因ではなくなっているからです。

非婚化や晩婚化、子育てにお金がかかることも、少子化の要因となっていることも別項で紹介した通りです。

 しかし、少子化の要因はさらに複雑で、年金不信や日本の将来展望が不透明なこと、リストラの拡大をはじめとする雇用不安など、人々の生活に対する漠然とした不安感が、子どもをつくることをためらわせる大きな理由となっていることは間違いないでしょう。

 世代内の格差拡大は、地位や経歴の影響などから高齢者により著しくなる傾向がありますが、世代間の格差は子育てに奔走する現役世代にしわ寄せがくる構造になりがちです。

 やや改善されてきたとはいうものの、若者の失業率は依然として高く、正職員になれない人はパートや派遣社員として生計を立てざるをえない状況に置かれています。

 正社員とパートの賃金格差はわが国では特に大きいようです。このような非正規雇用にある若者の生活は厳しさを増す一方なために、なかなか結婚もできない、また結婚しても子どもをもてない状況が拡大するということになるでしょう。

 規制改革を断行し自由な競争が激化することを是とする意見も少なくないようです。勝ち組と負け組の差が広がることもよしとする考えを認めたとしても、そういった考え方が少子化を推し進める結果を生み、ひいては日本の社会の破綻につながりかねないことを了解しておいてもらう必要があると思います。



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