少子化と格差社会 B


高齢世代と子育て世代の格差の拡大も問題ですが、同じ世代間の格差も重大な結果につながりかねない懸念を含んでいます。

特に、家庭の経済格差が教育の機会不均衡を生んでいるという意見が最近は目立ってきています。

ゆとり教育」は、子どもの学力低下をもたらす中で、できる子とできない子、勉強する子としない子の二極分化を生みました。

資力のある家庭では、塾や家庭教師など子どもへの教育投資を増やし、学校教育の足らぬ部分を補うことによって学力は向上し「できる子」組に残ることができますが、そのような教育投資ができない家庭や子どもの教育に無関心な家庭では、学力低下が進むことも少なくないという見方が強くなっています。

「こども未来財団」の調査によれば、家庭の所得によって子どもの進学への期待や習い事にかける費用に格差が出ていることが証明されています。

20〜44歳の既婚男女約2,400人を対象に、年収「200万円未満」から「1,000万円以上」までに6分類して調査したところ、1,000万円以上の家庭では89%が「子どもに大学・大学院進学を希望」しているのに対して、200万〜400万円未満では44%、400〜600万円未満は60%、200万円未満の家庭では30%が「特に希望はない」との回答であったということです。

習い事をさせる割合や平均月謝額も所得に比例しており、「所得格差が教育格差につながっている」現実が裏づけられる結果となったようです。

親は、所得水準が向上するのに比例して子どもへの投資を増やし、子どもの質の充実を図るものなんだそうです。子どもの数と子どもの質の間には強い代替関係が成り立つというこの意見は、米国の有名な経済学者ベッカーの理論です。

そのため、富める家庭ほど子どもの数を制限して投資の対象をしぼり、さらに少子化が進むということになりかねません。納得できない話でもないでしょう。

このように、ゆとり教育による学力低下や学力格差が問題視されるようになったため、来年4月には、全児童・生徒を対象にした「全国学力テスト」43年ぶりに実施されることになったそうです。

「ゆとり教育」を掲げた学習指導要領は、平成14年度から小中学校で、15年度から高校で実施されてきました。

ゆとり教育による学力低下の批判を浴びて、文部科学省は本年1月、現行学習指導要領を平成19年度までに改訂する方針を盛り込んだ義務教育の構造改革行動計画を策定するとともに、19年度には学校教育法の改正を図ろうとしています。


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