11月から、「乳幼児医療費助成制度」 で一部負担金が必要になります !!


 これまで無料であった 「乳幼児医療費助成制度」 や 「ひとり親家族医療費助成制度(従来の母子家庭医療費)などの対象になっている人でも、11月からは、1医療機関ごとに、入・通院各1日あたり1回 500円、(月2日を限度に =1,000 円)一部負担金 が必要になります。

 大阪市議会は、9月の議会で懸案の各種医療費助成制度の改正(?)を決め、上記のように、乳幼児医療費(所得制限はありますが) にも一部負担を課すことにしたのです。詳しくは、家庭にも配布されている大阪市の広報をご覧ください。

 また、大阪市は10月1日に、平成17年度予算の基本編成を発表しています。1兆194億円の一般財源の中から、大阪市として初めて「重点政策予算枠」の50億円を設けて、子育て層が住みやすい環境の形成などに割り当てることにしたというのです。

子育て層が住みやすい環境」 とは、もちろん住環境だけを指すものではなく、保育所の整備、仕事と育児の両立支援などの子育て支援策や、経済的な援助や配慮まで含めてのことでしょうが、今回の乳幼児医療費助成制度の改正は、この施策と明らかにあい矛盾するものと言わねばなりません。

 この今回の予算措置は、「三位一体の改革」を視野に入れた「分権型予算編成システム」を採用したものといわれています。



三位一体の改革
って 何でしょう?

                                                                

 小泉内閣は、「三位一体の改革」 を推し進めています。

新聞にはよく登場する言葉ですが、三位一体改革なんて聞きなれない熟語でしょう?

三位一体改革は、政府の経済財政諮問会議が決めた「基本方針」 (骨太の方針)に盛り込まれた7本柱の改革の一つで、小泉内閣が構造改革でかかげる 「民間にできることは民間に」、「地方にできることは地方に」 という施政の精神にかかわる話です。

自治体が自前の財源で、地域の実情に見合った事業を運営できるようにすることに主眼が置かれ、地方分権の具体化を図るため、財政と権限の両面で地方自治体の自立推進が図られています。

国から地方に補助される負担金の廃止・縮減、二番目は地方交付税の見直し、そして国から地方への税源と財源の委譲の三つを一体として行おうという国と地方の税財政改革だから、「三位一体」という言葉が使われているのですが、もともとはキリスト教の最も重要な教義なのだそうです。

即ち、聖書の神は、父と子と聖霊という三つのペルソナ(位格)において啓示され、神であるという本質においては一つの実体として存在するということを表しています。

この教義の語の持つ難解さ同様に、三位一体改革は誰にでもすんなり了解されることもなく、この先幾多の波乱に翻弄されることになるでしょう。

この三位一体改革を進める具体的な方策として、3兆円程度の補助金を削減し、義務教育費など義務的経費削減分の100%の税源を基幹税で地方に委譲するという方針が、昨年の6月に合意されています。

国に口出しされずに自分の一存で自由に使える金額が3兆円ということになります。

 削減の焦点は、公立小中学校教職員の給与の半分の扱い、すなわち2.5兆円にのぼる義務教育費の国庫負担金を対象にするかどうかにかかっています。

財源と教育水準は別問題とする肯定派や、地方にまかせたら財政事情から教育費を削減せざるを得ない県が出て、教育の機会均等が失われると危惧する反対派の二手に分かれて喧喧諤諤(けんけんがくがく)の議論が沸騰しているところです。


 三位一体改革は、もともと地方の自主性を高めるところにその趣旨があるわけですが、義務教育という重要な幹の部分で地域による教育水準に差がでるという懸念を疑問視するむきも少なくなく、すんなりとは決着がつきそうにもないというのが最近の姿でしょう。

このほかの改革についても、補助金をてこに地方に対するにらみを利かせておきたいという各省庁の思惑やエゴ、省益の利害等がぶつかりあって改革は空中分解寸前というのが実情といえそうです。

もう一つ、補助金削減をめぐりいま最も問題となっている出来事は、8月に地方6団体が委譲対象の候補として挙げた9,444億円にのぼる厚生労働省関係の補助金の内容です。

このうち4,475億円が児童関係の補助金ですが、中には私立保育所の運営費2,665億円、延長保育・休日保育・夜間保育・一時保育など454億円、児童養護施設の措置費615億円、子育て支援260億円、小児救急医療をはじめとする救急医療体制の確保関係150億円などが含まれており、これが地方地方の独自性と裁量に任されるとなることに不安感を持つ人が続出している点が問題になっています。

話は変わりますが、大阪府も大阪市も、財政状態は破産寸であることは別の欄でも述べた通りです。

表面に出ている債務ばかりではなく、第3セクターへの債務保証などの「隠れ借金」まで含めると財務状況はもっと悪いと考える必要があるでしょう。

近鉄バファローズ問題で揺れている大阪ドームも債務がかさみ、10月には再建のための特定調停を大阪簡裁に申請することになったそうです。大阪ドームは大阪市が血税 百数十億円を使って買収し、金融機関にも債権放棄を求める意向と言われています。

ATCなど第3セクターの救済にも695億円の公金投入が見込まれていますが、いずれも将来の収入増が望み薄なところから再検への道筋は険しく、甘いビジョンで建設されたこのような箱物への投資の破綻のつけが乳幼児福祉に回ってくることに何か割り切れない想いを抱くのは筆者ばかりではないでしょう。

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