森の中でクマに出くわしたら?

地球温暖化、森林環境の変化 クマの脅威

 全国各地で人里にクマの出没が相次ぎ、農作業に支障が出たり、住人の脅威となっているようです。

06年4月から10月末までに捕獲されたクマは4,318頭に上り、05年度の1.7倍で過去最多になっていると報道されています。

ツキノワグマなどは絶滅危惧種に指定されているため、クマとの共生を模索するとともに、保護か駆除かの選択に悩む自治体も少なくありません。

どうしてクマがこれほどまでに里に出没するようになったのでしょうか?

クマの異常出没の背景にはわが国の森林環境の変化や、人の居住区とクマの生息地の境目が曖昧になってきたことが主な原因として挙げられています。

自然の落葉樹林に代わって人工造林の針葉樹林が広がり、林業の斜陽が森林の手入れ不足を招いてクマの餌になる広葉樹類やドングリが不足する事態を招いています。

それとは逆に里には残飯や廃棄農産物、手つかずのまま放置されている柿やドングリなどが豊富で、里の住みやすさがかえってクマを里に招く結果となっているというのです。

自然破壊がクマ等の生態系を乱し、自然の営みを捻じ曲げてもいるのでしょう。

もともとクマは、はにかみ屋で人間を怖がる動物であったということですが、里は老人ばかりとなり、保護政策も手伝って人間を怖れない新世代クマの増加が背景にあるとも説明されています。

地球温暖化は森林の害虫の増加を招くだけではなく、クマの冬眠行動にも影響しているのではないかという意見も一部に見られます。

地球温暖化が急速に進めば、今世紀末には北極海を覆う氷が50%も減少し、ここに生活を依存するホッキョクグマやアザラシの絶滅、大幅な海面上昇など破局的な環境の変化がもたらされるという懸念が、04年の米国やノルウェーなど8カ国の科学者チームの報告で明らかにされています。

最悪の場合、2070年には北極地方から氷が消滅し、海面の上昇は7bにも達する可能性があることもこの調査は示しているのです。

地球温暖化の影響は、海面上昇ばかりではなく、針葉樹か広葉樹かといった森林の構成にも及び、森林は温暖化を促進している二酸化炭素など温室効果ガスの吸収を担っているのに、そのバランスが崩れて更に温暖化が加速されるという危険性すらはらんでいるのだそうです。

現在の大気中の二酸化炭素濃度は300ppm(1ppm100万分の1)。

年に1%ずつ増えるとすると50-70年後には2倍になり、温暖化によってハマダラカの繁殖に適した環境が広がることから、100年後にはマラリアに感染する危険のある地域が全世界で今よりも1030%拡大するという予測すらでています。

となると、感染症のみならず病気のありさまが今とは随分違った様相になる可能性も捨てきれないことになります。

実際に米国プリンストン大などのグループは、地球温暖化で細菌やウイルスの増殖が盛んになる結果、人間や野生生物の感染症が増加し、人間の健康や種の存続に悪影響がでるという研究結果を02年に発表しています。

 次代をになう子ども達には、地球温暖化の危険性のみならず、生物の多様性森林の役割といった自然の大切さや自然に親しむ心を植えつけることも大事でしょう。おいしい水が飲める清流、手入れの行き届いた豊かな森の回復など、忘れかけているかけがえのない自然や環境問題への理解を高めるエコ教育の充実をはかることが大切なのではないでしょうか。


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