自転車 危険がいっぱい!

                                             201011.9

                                              

エコブームや電動アシスト機能付き自転車の普及、昨年7月に解禁となった3人乗り自転車などへの関心の高さから、自転車に注目が集まっています。

警察庁は2007年末、自転車事故の増加に伴って安全指針の際に使う「交通の方法に関する教則」に「3人乗りは危険」と盛り込む方針でしたが、子育て中の親たちから容認を求める強い声が出たので再検討の結果、「安全基準を満たした自転車」での走行という条件つきで解禁になったものです。

 

自転車利用の増加と共に自転車と歩行者の接触事故が急増しており、町を歩いていても、ヒャッとすることが少なくありません。

特に問題になっているのは、高齢者の自転車事故が後を絶たないことです。2009年に自転車乗車中に交通事故に遭い死亡した人のうち、65歳以上の高齢者は全体の64%を占めるそうで、年々この比率はうなぎ登りになっています(9月13日、日経)。

交通事故に占める自転車が関係する事故の割合はおおよそ2割で、これまでのように車と自転車の衝突事故よりも、最近は自転車が加害者になるケースが増えているそうです。

1998年に年間約660件だった自転車同士の事故は、2009年に約3900件と6倍にも増え、自転車 と歩行者の事故も約2900件と10年間で3.7にも増え続けています(1010日、日経)

 自転車といえども道路交通法上、自動車と同じ車両の一種(軽車両)なので交通ルールを守ることが大切です。自転車の違反別死亡事故の分析では、@一時不停止、A信号無視、B安全不確認、Cハンドル操作不適当、D優先通行妨害などの違反となっています。

 

 自転車は車両なのですから、車道の左端を走るのが原則となっています。20086月に自転車の通行に関する改正法が施行され、歩道を走れるのは、交通量が非常に多く車道がせまくて危険な場合など三つのケースに限られています。 

 自転車と歩行者の事故急増を受け、安全な自転車通行のために、全国98ヵ所の「自転車通行環境整備モデル地区」が指定され、自転車と歩行者を分離する試みが進められていますが、利用者や住民の賛否も分かれる傾向が見られるようです。

全国的に見ても整備状況については地域差があり、今年3月までの整備率は68に留まっています。@道路幅が狭いなど道路構造上の制約やA沿道住民や道路利用者との調整の難しさ、B自治体の予算配分の優先度など、整備が進まない理由が挙げられています。(9/16、毎日夕刊)

 

自転車事故の問題点の一つは、多額の賠償問題に発展するケースです。

自動車には、自動車所有者が強制加入の責任を負う「自動車損害賠償責任保険」があるのに、自転車には強制加入の保険がなく、最近では5000万円を超える支払い命令が出されるケースも珍しくはありません。自転車利用者自ら高額賠償に備えた危機管理をする必要があるでしょう。

財団法人日本交通管理技術協会は、規定の点検を受けた自転車に貼るTSマーク」の認証を行っており、10002000円程度の点検整備費用でTSマークが交付され、最大2000万円の賠償責任保険が付けられるそうです。それ以上の上乗せ保険としては、日本サイクリング協会の会員に保証される最高3000万円の賠償保険や、各損保会社にも自転車保険が用意されているので、保証をカバーすることができるでしょう。

 

夜間の無灯火走行やフルスピードで横断歩道に飛び出す自転車も珍しくはないようです。

携帯電話や、イヤホンで音楽を聴きながらの走行、いずれも2008年に一部改正された「交通の方法に関する教則」ではやめるように呼びかけられており、東京など34都道府県では公安委員会規則などで禁止されているそうです。

いずれにしても、自転車に乗る人が自主的にマナーとルールを守ることが先決です。子どもの時から交通ルールをしっかりと身に付けさせることが、事故防止の何よりも重要な教育と言えるでしょう。