食べ物で体にブツブツ


  毎年、春休み頃になると、ジンマシンのような発疹--ブツブツを訴えて来院されるお子さんが増える傾向がみられます。

薬をのんでいるような時は薬疹ではないかと心配されるお母さんもありますし、食べ物のせいではないかという疑いを持って来られる人も少なくありません。

卵や牛乳など、アレルギー反応を引き起こす可能性のある食品が含まれている加工食品に、その原材料を表示することが義務づけられるようになって、この4月で3年がたちました。

この措置は、厚生労働省研究班の全国調査に基づいて、食品衛生法の施行規則を改正したことに伴うものです。

卵、乳、小麦、ソバ、落花生の5品目が特定原材料として表示が義務づけられ、イカ、エビ、大豆など19品目は可能な限り表示することを求める表示推奨品目になっています。

表示義務のある5品目の表示を怠った場合は行政処分の対象になりますから、各メーカーとも表示を心がけてはいますが、思わぬところに落とし穴があって表示漏れが起きることも少なくないようです。

コンビニ弁当などでも、全体の表示はあっても個々のおかず毎の表示がないために、消費者にとっては不安が残ります。

04年6月には、バナナが推奨品目に加えられ、現在は合計25品目が対象となっていますが、リンゴやオレンジまで表示奨励品目であることに驚かれる方もおられることでしょう。日常誰もが口にするこのようなありふれた食品でも、人によっては呼吸困難や血圧低下をともなう「アナフィラキシーショック」を引き起こし、命がおびやかされる例もあるのです。

食べ物が原因で1時間以内にジンマシンなどをきたす即時型食物アレルギー」の患者さんの約8割が6歳以下の乳幼児で、大人も含めた患者10人に1人がこのアナフィラキシーショックを起こす可能性があることも、厚労省の03年の全国調査で判明しています。

 厚労省は04年の6月に発表した「2003年保健福祉動向調査」のなかで、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を有する人が国民の3人に1人はいると報告しています。

アレルギーは、まさに 『新たな国民病』 と言えます。

この結果は1991年の前回調査とほぼ同じなのですが、子どもや大都市の住民に症状を訴える人が多いこともわかっています。

一方、気管支喘息にかかった子どもはこの10年で倍増したことも、03年の文部科学省の学校保健統計調査で分かっており、前年比でみると、小学生では0.23?増の2.9%、中学生では0.14?増の2.32%と過去最悪になったそうです。

子どもには少ないといわれていた花粉症も増加の一途で、全国調査でも15歳以下の子どもの1015%が花粉症を患っているとみられます。

今年のスギ花粉の飛散量は昨年の2030倍、例年の2〜3倍になるものと予想されており、ヒノキ花粉も含めて過去最悪の飛散量となるでしょう。花粉を作る雄花の元になる花芽は前年の夏にでき始めるそうですが、昨年は猛暑で少雨、日照時間も長く花芽が増える条件が揃っていたことに原因があるようです。(飛散量などの詳しい情報は、NPO花粉情報協会 http://www.pollen-net.com/ や、環境省花粉情報システム・はなこさん http://kafun.nies.go.jp/ などをご覧ください)

花粉症対策としては、掃除、洗濯、布団乾燥機の使用なども有効です。掃除機は1平方bあたり20秒、6畳で3分くらいかけること、洗濯物や布団を外に干すときは、取り入れる際に掃除機をかけるようにすることが大切でしょう。

一度発症するとなかなか治りにくく、治療には抗ヒスタミン剤や、ロイコトルエン拮抗剤の内服が使用されますが、効果は十分には期待しがたく、スギ花粉を薄めて注射する「減感作療法」の有効性と永続性が厚労省研究班の調査で確かめられています。特に注射用より高濃度のエキスを舌下に投与する「舌下減感作療法」の有効性が期待されており、いずれの減感作療法も、成人より小児で有効率が高い傾向が証明されています。

アレルギーが増えた原因として、食生活の変化や大気汚染、ストレスの増加をはじめ、気密性の高い住宅環境でダニやカビが発生しやすく、花粉なども吸着されにくい建材が多くなったせいではないかと分析されていますが、小麦やピーナツなどを使う菓子類、肉類などの動物性脂肪の食べすぎが食物アレルギーの背景にあるのではないかと推測されています。

最近、衛生的な環境で育った乳児の方がアレルギーになりやすいという仮説が注目されており、乳幼児を取り巻く衛生環境が著しく改善されるようになった70年代以降に生まれた子どもに特にアレルギーを起こしやすい体質の人が目立ち、約9割にのぼることも調査で判明しているそうです。

表示されるアレルギー原因物質

【表示を義務づけ】 小麦、そば、卵、乳、落花生

【表示を奨励】    アワビ、イカ、イクラ、エビ、オレンジ、カニ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、

サケ、サバ、大豆、鶏肉、豚肉、マツタケ、モモ、ヤマイモ、リンゴ、ゼラチン、

バナナ 



戻る