予防接種、こういった場合にはどうすればいいのでしょうか?


1.けいれんを起こしたことがあるのですが

予防接種法では、けいれんの経験をもつ乳幼児は 接種要注意者 となります。

子どものけいれんは 8〜10が経験するといわれ、発熱した時だけに見られる「良性の熱性けいれん」がほとんどで、後に障害が残るようなことはまずありません。

しかし、けいれんの中にはてんかんが隠れていたり、先天性の脳疾患による場合もないわけではありませんから、それまでの発育ぶりや発達の評価も含めてかかりつけの先生の判断を求める必要があるでしょう。

 熱性けいれんでも繰り返し起こしている場合は、脳波検査を受けた上で、てんかんなどの存在を除外してから接種を受けるほうが安全です。

 阪大小児科の予防接種外来の成績をみますと、てんかん児の場合、発作のコントロールが悪い例では発熱で発作が増加する傾向が認められるようですが、それ以外は、予防接種後に発熱してもけいれんを誘発することは殆どなかったようです。

旧予防接種法では、けいれん後1年間は接種できないことになっていましたが、改正予防接種法(平成6年施行)では主治医の判断に任せられています。

一般的には、最後のけいれんを起こしてから2〜3ヶ月以上あけて接種することが可能です。ただし、接種の緊急度が高い場合には、主治医の判断で1ヶ月でも接種できますが、逆に次のようなケースでは慎重に対応する必要があるでしょう。

初めてのけいれんを経験する前から明らかな神経学的異常や発達遅滞が認められる場合

生後6カ月未満 5歳以降のけいれん発作の場合

けいれんの持続が1520分以上の発作の場合

全身性けいれんでないような身体の一部に起こる部分発作や24時間以内に発作を反復する場合

家族歴で熱もないのにけいれんを起こしたことがある者が含まれる場合



. 熱がでたら、けいれんが起こらないかと不安なのですが

  副作用の発熱率が比較的高い予防接種の場合には、慎重な接種が望まれます。

最も警戒すべきワクチンは「はしか」で、熱は接種後5〜14日に出やすく、37.5℃以上の発熱率は約20%、38.5℃以上は数%以内と考えられています。

はしかの予防接種後の熱性けいれんの発現頻度は3.3 %(厚生労働省報告)と比較的高いため、今まで熱性けいれんを繰り返し起こしてきた子どもに対しては、発熱予想日が近づくとともに観察をおこたらず、場合により主治医からけいれん止め効果のあるジアゼパム坐薬(商品名ダイアップ坐剤)の処方を受けておき、37.5℃を超えれば早めの使用でけいれんを予防することが大切です。(解熱剤の坐薬を併用する場合は、ジアゼパム坐薬挿入後30分以上の間隔をあけること)


. 予防接種をしようと思っていた矢先にかぜをひいてしまいました

かぜをひいたような時は、回復して1週間くらいあけて接種するのが無難ですが、はっきりした目安があるわけではありません。ただ、突発性発疹や手足口病のような軽い病気でも、稀とはいえ脳症や脳炎などの合併症をきたすことのあるものは、治癒してから2週間以上はあけるほうが安全です。

流行の拡大などで一刻も早く接種する必要がある場合は、感染時のリスク/接種のリスクとメリットのバランスを見極め、主治医と相談して早めることも可能でしょう。



 
はしかにかかってしまった場合は、治癒してから1ヶ月あけることが必要です。

風しんやみずぼうそうに罹患した時も治癒後2〜4週あけ、ウイルス性髄膜炎の合併率の高いおたふく風邪は、治癒後4週間ほどあける方が無難です。




. 卵アレルギーがあるのですが

 卵アレルギーが最も問題になるのはインフルエンザワクチンで、接種要注意者にあたります。ワクチン製造時に発育鶏卵の尿膜腔で増殖させたウイルスを材料に使うため、微量の鶏卵由来成分が残ってアレルギーを引き起こすのです。

卵を食べても軽い発疹がでるくらいの程度ならば比較的安全に接種できますが、喫食したとたんに吐き気や頭痛がして顔色が真っ青になるような人とか、アナフィラキシーショックを起こしかねないような人は接種できません。

不安が残る場合は、ワクチンを薄めた液で皮内反応をしてアレルギーの度合いを確かめたうえ、必要に応じて数日前から予め抗アレルギー剤を内服して接種に備えることも一法でしょう。ただ、皮内反応の信頼性は必ずしも高いものではありません。

はしかの予防接種でも一時は卵アレルギーが問題にされました。

製造過程で混入する微量の鶏胚細胞成分を含んでいるためですが、精製技術が進んで卵成分はほとんど含まれていないので接種に問題はおこりません。

以前みられた副反応はワクチンに含まれる安定剤のゼラチンによるものであることが分かり、ゼラチンを除去することによってはしかワクチンでアレルギーを起こす子どもはまず見られなくなりました。




. 1歳以下でもインフルエンザの予防接種はできますか?

 1歳以下の乳児のインフルエンザワクチンの効果はあまり期待できません。

13歳以上は1回接種ということでわかるように、それまでにインフルエンザにかかった歴史や受けたワクチンの積み重ねがワクチンの効果に影響します。1歳では未だインフルエンザを経験したことがない場合の方が多く、ワクチン接種量が0.1lで少なすぎる(アメリカは0.25ml)ということも効果と無関係ではありません。




. うっかりして接種を忘れ、間隔が開いてしまったのですが

DPTなど1期3回接種の予防接種では、うっかりや病気のために規定どおりに接種ができていないケースが生じます。開きすぎた間隔の程度やワクチンの種類によっても違いますが、ケース バイ ケースで弾力的に対応するしか仕方がありません。

まず、遅れても回数をそろえて辻褄を合わせておくということを原則にするのが実際的で、以下にワクチンごとの対処法を記載しておきます。