熱中症 車内の温度に注意!

 

7月27日の夕方、北九州市小倉で痛ましい事故が起き、2歳の男児が熱中症の中でも症状が重い熱射病で亡くなったことは、新聞報道などでご存知のことと思います。

 駐車場に止められていた私立保育園のワゴン車の中に約4時間も放置されていたため、熱射病を引き起こして心肺停止をきたしたものと推定されています。

この日の北九州市は、今夏最高の33.4℃まで気温が上がり、車内温度は50℃を超えていたものと思われます。こうした条件では、乳幼児は10分ほどの短時間で「熱射病」にかかり、命にかかわることになるのだそうです。

  同様の事故は再々発生しており、いずれも大人の不注意によるものです。両親がパチンコに熱中している間にカークーラーもつけてない車内に放置された幼児が亡くなった事故もありました。

もちろん親に悪気はないのでしょうが、真夏の車内が灼熱地獄になって10分余りで死に直結しかねないことを知らないこと自体が罪にもなりかねません。

前国会では、児童虐待防止法改正案が成立して、児童相談所の立ち入り調査に対する強制力や、親の接見禁止条項なども盛り込まれるようになりました。

 児童虐待というと話は穏やかではなくなりますが、これらは、「適切な保護を怠った」ということで「ネグレクト」に相当する事例と言えるでしょう。

 児童虐待は、@身体的虐待、A性的虐待、B不適切な養育、放置、保護の怠慢(ネグレクト)、C心理的虐待の4つに分けられていますが、小児科のある全国570病院を対象にした厚生労働省研究班の昨年1月の全国調査では、ネグレクトによる子どもの入院例は106病院(46%)もあり、うち12人が死亡、21人に重い後遺症が残ったことも判明しています。

  熱中症の危険性については、このコラムの05年6月28日「太陽に恵みと罪」、06年8月1日「暑さとからだ−熱中症に注意」にも載せているのでご参照ください。

  汗が皮膚の表面で蒸発する時に発生する潜熱が体熱を奪うことで体温が一定に保たれることは以前にも説明しました。

もし人間に汗をかく機能がなければ、体温を一定に保つことの出来る限界は31℃と考えられています。

 発汗や体温調節機能が未熟な乳幼児はうつ熱をきたしやすく、体内での産熱量が発汗などによる放熱量を上回れば、容易に熱射病に陥ってしまうことになります。

クーラーの害は害として、室温が余りにも高い時はエアコンを上手に使うこともうつ熱予防には効果があるでしょう。

 熱中症は乳幼児に限らず、強健なスポーツマンでも起こりやすく、事故の4割は気温30℃以下で起きているというデータもあります。

湿度も熱中症に関係し、湿度が高いと、かいた汗が蒸発しにくく発汗による体温調節効果が十分には発揮されないことになります。

 体感温度は、湿度が15%下がれば1℃下がり、風速0.5bの風があれば2℃以上下がります。

 熱中症の予防や治療に水分補給が大切なことは今や常識となっていますが、ただの水よりもブドウ糖、ナトリウム、カリウムなどが含まれているスポーツドリンクの方が吸収されやすく効率がいいようです。

のどが渇く前に水分を補給するように心がけることが大切で、脱水が進んでから水分を補給したところで、汗をかいても体温降下作用は余り期待できないと言われています。

 室温50℃を超える車中で何も飲まずに過ごすことの危険性がお解かりいただけましたでしょうか。


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