夏なのに インフルエンザ ?!

 

9月の上旬から当医院のある大阪市の南港地区では、インフルエンザA香港型)の流行が見られています。もちろん新型インフルエンザではありません。

インフルエンザは冬の感染症と思いがちですが、ここ数年、比較的暖かい沖縄でも季節はずれの散発的な流行が発生していますし、外国の熱帯・亜熱帯地域でも、雨季を中心にインフルエンザの流行は起こるようです。

新型インフルエンザが出現して、世界的大流行であるパンデミックになる懸念は再々報じられている通りですが、過去のパンデミックでも、日本での流行は冬よりも春や夏から拡がっていく傾向が見られます。

1918年に大流行したスペインかせ゜は、当時の全世界総人口20億人のうち3分の1の人が罹患、わが国でも全人口5,500万人のうち約2,300万人が罹り、死者38万人の甚大な被害をもたらしたと言われています。

1918年の冬にヨーロッパで拡がり始めた流行は、3月にはアメリカをはじめ全欧に、5月にはスペイン国王や閣僚の間にも広がったところから、スペインかせ゜の名がついたようで、スペインで最初に始まったわけではなさそうです。

わが国では、1918年の8月下旬に始まった第1波の流行は2ヶ月で最高潮に達し、12月下旬には一旦収まりかけていたものが翌春に再燃、1919年の9月下旬からは第2波が、第3波は1920年の8月から始まっています。

1957年に始まった「アジアかぜ」(H2N2型)は、2月に中国南西部から上海、香港などへ、そしてシンガポールやフィリピンなどの海外へと拡大し、わが国でも5月から第1波が、9月からは第2波が押し寄せてきたのでした。

最近でも流行を繰り返している「香港かぜ」(h3N2型)は、1968年の7月に香港で流行が始まり、8月には日本でも香港型のウイルスが分離され、10月には東京において集団発生が起こっています。

このように新型インフルエンザの流行は、冬季に中国で発生し、季節の移ろいとともに全世界に広がっていく傾向が観察されます。

従って、夏だから安心、秋だから大丈夫とは言えないようです。


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