セアカゴケグモ の被害拡大?


 セアカゴケグモという聞きなれないクモ(蜘蛛)が世間を騒がせるようになったのは平成7年のことで、本来は日本にいるはずのない外来種です。

 大阪府高石市の工場敷地で発見されたのをきっかけに、その後は日本全国に広がりをみせています。

 本来はオーストラリアや東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地方に生息する種で、木材などの輸入貨物に付着して日本国内に持ち込まれたものと思われます。

平成九年には関西国際空港島で清掃中に咬まれるという被害が出たのをはじめ、その後は港のある都市だけではなく、17年には群馬県高崎市のような内陸部でもその存在が確認されるようになりました。

日本の気候からみて越冬するのは無理ではないかと考えられていたのですが、分布の拡大ぶりを見るとそうとも言えないようです。

都市部には、自動販売機の裏側や暖かい工場排水の流れる溝など、セアカゴケグモにとって棲みやすい環境「亜熱帯地域」が整っているからではないかと考えられています。

人間の経済活動に伴って拡がったことは間違いないことから、責任は人間の方にあると言わねばならないでしょう。

 産経新聞の1018日の夕刊は、セアカゴケグモにかまれる被害が広がる気配が見られ、大阪府内ですでに6件6人の被害があり、過去最高の昨年と並んだという事実を報道しています。

 セアカゴケグモの生態からして、被害の報告は9月までというのがこれまでの実態でしたが、厳しい残暑の影響からか、今年は10月になっても報告が続き、各自治体は咬まれないように注意を呼びかけています。

 セアカゴケグモの毒は神経毒(ラトロトキシン)で、咬まれると針で刺されたような強い痛みとともに咬まれた部位が熱をもって次第に腫れがひどくなり、時には四肢の痛み、筋肉の硬直、腹痛やさむけ、発熱や発汗などの全身症状、更にはケイレンが現れることもあるようですが、死に至るようなケースは稀なようです。

 しかし、セアカゴケグモそのものの性格はおとなしく攻撃的ではありませんが、素手で直接触ったりしないようにしてください。人にみつかると手足をたたんで死んだふりをするそうです。

 万一咬まれた場合には、傷口を流水でよく洗って皮膚に残った余分な毒を洗い流し、患部を冷やしてください。包帯はしないほうがよく、出来るだけ早く受診して治療を受けてください。

 重症の場合には、血清を注射することになりますが、大阪府立急性期・総合医療センター 救急診療科(大阪市住吉区:? 06-6692-1201)に常備されているそうです。

 できれば市販の殺虫剤を吹き付けるか靴で踏み潰し、死骸を病院に持参すれば診断の手助けになるでしょう。

それにしてもセアカゴケグモとは奇妙な名前とは思われませんか。

咬まれて死ぬようなことにでもなれば後家になるからとか、交尾後には大きな方のメス(体長1015mm)が小さいオス(体長3〜5mm)を食べてしまってゴケになるからとも言われています。

メスは全体に黒色ないしは濃褐色で、背中に赤い帯状の模様があるのが特徴とされ、咬傷はもっぱらメスに咬まれて起こります。

人家や構造物などのそばに生息しており、野外のブロックとかプランター、庭石や墓石の隙間、排水溝の側面、マンホールの蓋の裏側などは要注意です。


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