子どもの安全をどう守ればいいのでしょう?

 

子どもが事件に巻き込まれたり被害にあったりする犯罪が頻発しています。

全く面識のない人に危害を加えられるといった事件だけではなく、親が子をあやめる、あるいは子が実の親を殺傷するという尊属殺人も後を絶ちません。

子どもをどのように育てたらよいのか、子育て自信喪失症にかかってしまう親が増えても何の不思議もない世の中になってしまった感は否めません。

このような不安感が子どもを生み育てる心にブレーキをかけ、少子化を加速している一面を無視するわけにはいかないでしょう。

現に「子育てに自信がない」と、厚生労働省の全国家庭児童調査に回答を寄せた家庭が約2割もあったことがわかっています。

17年に広島や栃木などで子どもを狙う凶悪事件が相次いだことを受けて、内閣府が昨年6月に行った世論調査では、「子どもの犯罪被害に不安を感じること」が「よくある」と「ときどきある」を合わせて7割超にも上ることが分かっています。その理由として、事件がテレビや新聞で報じられること、さらには「地域のつながりが弱く、近所の住民の顔をほとんど知らない」、「塾や習い事で子どもの帰宅時間が遅い」などが挙げられています。

一昔前ならわが国の家庭や社会に当然備わっていた規範意識や、他人の子どもといえども地域の人々が関心を持って躾け、守り育てるといった美風が失われ、家庭や子ども達が孤立してしまう状態がますます強くなってきたという状況こそ問題にされるべきでしょう。

地域の再生や復活ということが口やかましく叫ばれてはいますが、他人の干渉を嫌う現代人、特に都会の人々の心根はおいそれとは改まりそうもなく、「地域」を取り戻すことは容易なことではありません。

それでも物騒な世相を反映して、徐々にではありますが地域住民で子どもを見守るという意識が芽生えつつあることは喜ばしいことです。

たとえば、働く親の子育て支援を地域住民の力を借りて推進する「地域保育」に取り組む団体、フローレンスなどのNPO法人が「日本地域保育協議会(通称・ウバネット)を組織し、事故予防や病児への対応をまとめたマニュアルや合同研修を通じて知識や技術を備えたスタッフの養成を図るという試みも進められています。

もはや学校といえども安全な場所ではなくなってしまいました。外部からの不審者の侵入に備え、「来校者に記名を求める」、「門を閉鎖してしまう」、「教室に非常ベル」、「警察や消防署とホットライン」などの対策とともに、教師に救急訓練を必修化している学校もあるようです。

連れ去りに対しては、防犯ブザーの携帯や塾への送り迎えサービスを利用している保護者も少なくないようですが、セキュリティー会社と契約し、GPS(全地球測位システム)を利用した位置検索サービスで子どもの居場所をパソコンや携帯電話で確認する方法とか、ICタグ内蔵のカードを用いて入退所の確認や、防犯カメラやセンサーを搭載した自動販売機を通学路に配置し、児童が携帯するICタグなどからの電波を受信して児童の登下校を見守るシステムの利用などが試みられています。  

このようなシステムを利用し万全の対策を立てておくことも大切なことですが、危険な場所や道などを親子で常日頃から確認しておくこと、危険な目に遭った時にどのように対応すべきかを普段から子どもとよく話し合っておくことはそれ以上に必要なことではないでしょうか。


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