RSウイルス感染症が流行しています

2007.12.18


 インフルエンザの流行は当初に予想されていたほどには大きくならず、今週末には学校や幼稚園が終業式を迎えることもあって、恐らく年内の大流行はないでしょう。

 インフルエンザよりも問題なのは RSウイルス感染症」の流行です。

 RSウイルスというのは聴きなれない名前かも知れませんが、症状は風邪と似ていても、乳児がかかると重症化して喘鳴(喘鳴:ゼロゼロ)が強くなって呼吸困難をきたしやすく、時には命にかかわることだってある病気なのです。

 RSウイルスは、Respiratory syncytial virus (呼吸器合胞体ウイルス)を略したもので、急性の呼吸器感染症を引き起こします。

 このような重症化例や、流行していることもあってか新聞記事で取り上げられることも少なくありません。(10月5日付、毎日新聞「2歳までに100%感染 RSウイルス」、1218日付、産経新聞「知っていますか? RSウイルス感染症」など)

 記事では、1歳の誕生日までに約7割、2歳までにほぼ100%の子どもが感染してしまい、ほとんどの例では軽い風邪症状で治ることが多いものの、月齢の低い乳児の場合は重症化しやすいことや、抗体ができにくいために何回もかかり、乳児にうつす感染源(発端者)になりかねない事実も紹介されています。

診断には迅速診断キットを用いますが、保険適用は3歳以下の入院患者に限られているため、外来ではともすれば敬遠されがちになり診断の遅れにつながってしまうことも少なくないようです。

キットは年々改良が加えられ、診断精度の向上につながっている点は評価してもよいでしょう。

 RSウイルス感染症は、サーベイランス(感染症発生動向調査)の対象となっている疾患でもあり、医師会では10余年にわたって保険収載を働きかけてはいるのですが今もってママコ扱いのままで、全国流行状況も実態を反映したものではなさそうです。

  RSウイルス感染症は、晩秋から春先まで、特に寒い時期にはやる感染症ですが、今季の流行では特に感染力が強いようで、あちこちの保育園などで大流行を見せています。

 当院でも、第45週(11月5日〜1111日) 12名、第46週1名、第4717名、第4833名、第4911名、第50週(1210日〜16日) 9名と、ピークを越えた感はありますが、毎日、病児保育室を賑わしています。

 今回の流行から分かったことですが、乳児に重症例が多いとされてはいるものの、熱もでず咳や喘鳴などの呼吸器症状も軽い子が少なくないことや、反対に、再感染では比較的軽症ですむとはいうものの、39℃を超える熱が5日以上続く例も珍しくないことです。

 RSウイルスによるものと分かってもインフルエンザのように特効薬はなく、対症療法にまかせるしかありません。

受動喫煙は絶対に避け換気を図ること、乳幼児特に早産児では咳や痰が見られたらすぐに受診すること、大人や幼児で単なる風邪と思ってもRSウイルスによるものかも知れないと考えることも大切でしょう


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