新型鳥インフルエンザ 出現間近?

 1月11日の各紙は、中国における鳥インフルエンザ 「人から人」への感染事例を報じています。

新聞報道によると、中国衛生省は10日、江蘇省南京市の男性とその父親が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した事案について、@「(家庭での)密接な接触によって感染した」こと、A父子が病死した家禽類との接触歴もなく、感染ルートははっきりしない、Bヒト-ヒト感染が強まるようなウイルスの遺伝子変異は認められない等を明らかにしたというものです。

 感染した父子は、不幸にして昨年11月に死亡されています。

 人同士の感染ということになりますと、中国で初めての事例ということになります。

過去のSARS騒ぎ時の対応をみるまでもなく、中国政府がこのような段階で公表することは極めて珍しいことと言わねばなりません。WHOCDC(米国疾病予防センター)などの調査団への情報公開を拒み続けて詳細を明らかにしなかった従来の姿勢や、中国政府当局も把握できていない辺境や奥地の事情を考えると、現状が正確に解析され反映されているかどうか多少の疑問は残りますが。

 新型勃発ともなればもはや手がつけられなくなり、北京オリンピックの開催にも黄信号がともることにもなりかねません。国の威信がかかっている状況では、早めの情報公開と対応が迫られているという国内事情も見逃せないでしょう。

 このような事態に対してわが国の厚生労働省は、海外からの入国者に対して中国滞在歴の有無をチェックするなどの検疫体制の強化を図っています。なにしろ新型がひとたび上陸するようなことにでもなれば、約2,500万人が感染し、64万人が死亡するという事態が危惧されているのですから。

ただ国や自治体も、企業も、危機管理意識と体勢の弱さはいかんともし難く、パンデミックに襲われれば社会は大混乱に陥ることだけは確かなようです。この辺の事情は、NHKが1月12-13日の二夜にわたり放映したNHKスペシャルドラマ「感染爆発」において示した診療活動の麻痺や経済的混乱など、予測される事態のシミュレーション通りになるように思われます。

 ヒト ヒト感染はインドネシアやベトナムでも数例が認められており、家族全員とか一部の地域の集団で(クラスターといいます)発生しているケースもみられます。しかし、感染が拡大してその地域全体に拡大するという例はなく終焉してしまうことが殆どのようです。このようなクラスターの中でも、血のつながりのある人だけが重症化する例が観察される等、遺伝的な要因が重症化にかかわっているのではないかと思わせる点も報告されています。

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