どっちが本当 ?

地球温暖化をめぐる論争のゆくえ

地球温暖化がニュースにならない日はないくらいに連日連夜、地球温暖化に関する話題が登場しています。

地球温暖化による異常気象がもたらす穀類の不作が価格高騰の一因として、7月に開催されるG8・北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)では、地球温暖化が主要議題にすえられ、食料価格高騰に関する特別声明をまとめる方向で調整が行われているようです。

2007年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次報告書は、現在の気温上昇は人為的温室効果ガスの影響であり、その原因となっている二酸化炭素(CO2)を 削減することによって地球温暖化にブレーキをかけることができると主張しています。

化石燃料に依存した大量消費型の社会が続く限り、1990年代以降の平均気温の上昇傾向は加速しており、今世紀末の地球の平均気温は最大で6.3℃、海水面は58a上昇すると予測、4℃の気温上昇でも約30億人が水不足に直面し、多くの水生生物が絶滅するとも警告しています。

欧州連合EU)は、地球温暖化による水不足や農業生産の低下によって紛争拡大や地域の不安定化が起こるとともに、数百万人の環境移民が発生して「安全保障上の深刻なリスクになる」とする報告書を作成しています。この報告書では、地球温暖化対策を怠れば、経済的なコストは世界全体のGDP(国内総生産)の20%に上り、多大な経済損失が発生するとまで言っているのです。

このような見解に対して、地球温暖化は「二酸化炭素の増加ではなく、自然変動によるものである」としてCO2主因説に真っ向から反論する意見が台頭し始めています。特に京都議定書に非参加の立場を貫いてきた米国を中心に論争が活発化しているようですが、日本でも同様の主張をする学者が目立ってきたのも事実です。

CO2主因懐疑説の共通見解として、地球の気候は太古の昔から大きな変動を繰り返していて、その理由も明らかではないというものです。

氷河の伸縮を基にした地球の温度変化の推計では、1890年代〜1920年は寒冷化し、1925年〜1945年は急速な温暖化(IPCC報告書は自然変動説)、1945年〜1977年は再び寒冷化1977年からは温暖化して現在に至っていると判断されておいます。世界中で高度に工業化が進んだ1950年代〜1970年代には温暖化が進行してよい筈なのに実際はその逆であったという辻褄の合わない結果もCO2犯人説に懐疑的な意見の根拠となっています。

5月に千葉市で開催された「日本地球惑星科学連合大会」では、地球温暖化の科学や対策のあり方が討論され、「地球温暖化問題の真相」と題してCO2主因説の真偽を巡ってホットな論争が戦わされたそうです。(6月2日、日経)

CO2主因説に批判的な立場を取る意見でも、CO2関与の程度についての評価には温度差があり、人為的要因と自然要因の複合したものと考える学者が多いようです。  

地球温暖化の要因としては、CO2をはじめとする温室効果ガスなどの気候影響因子、木や家畜の糞を燃やすことによって発生する大気浮遊粒子である着色エアロゾルの影響、植生や土地開発による地域気候や局所気候の変化、農業や牧畜で発生するCO2uなどの人為的要因のほか、太陽の光度変化や太陽磁気活動海洋振動による海面温度の変化などの自然要因が挙げられています。

CO2排出削減で気候変動が防げるのかどうか、諸説紛々、どちらに決着が付くにしろ更なる研究と検証が求められるところでしょう。

大気中のCO2濃度は2005年に世界平均で379.1PPMとなり、18世紀後半の産業革命当時に比べて35.4%も上昇して観測史上最高を記録したことだけは事実(世界気象機関WMOの調査)なのですから、CO2削減に向けて国民一人ひとりが襟を正して取り組む必要があることはいうまでもありません。

 家庭で実践できる省エネといってもしれているでしょうが、家庭部門では90年代に比べて10数%もCO2排出は増えているところから、全国民が「1人1日1キログラムのCO2減らし」を心掛ければ、数%減らせる計算になるそうです。

 エアコンや冷蔵庫、照明をエコ型に替えるといっても費用のかかることですから、無駄な照明を消す、エアコンはできるだけ控えめの温度設定をする、自動車の利用を控えてなるべく歩くように心掛けるなど、親が意識を変え、身をもってエコ意識を子どもに植え付けるような生き方を実践することが何よりも必要なのではないでしょうか。