太陽の季節がやってきました


梅雨の晴れ間の五月晴れ(さつきばれ)が目映い季節がやってきました。

もともと、五月晴れは「つゆ晴れ」とも言って梅雨の合間の晴天を意味していたようですが、今では、5月の晴れた空をも指すようになっています。

 強い日差しは紫外線(UV)の警戒警報でもあり、このコラムでも何度か登場しています。

 紫外線にさらされると、UVの害を抑えようと「メラノサイト」という細胞が活性化され、メラニン色素の産生が増えるため肌が黒くなってきます。これが日焼けなのですが、数週間もたつと次第に色はさめて元通りの肌の色にもどるのが普通です。

しかし、UVによる細胞の障害が強すぎると、肌に沈着したメラニンが排出されず「シミ」となったり、UVの皮膚障害作用によって肌のシワやたるみが起こり、肌の老化の原因、更には皮膚ガンの原因ともなります。

シミやたるみは、UVの直接的作用のほか、UVで誘起された活性酸素が原因となる場合も少なくないようです。ニンジンやカボチャなど、抗酸化作用があるビタミンCEAなどを多く含む黄緑色野菜がUVに効果があるとされるゆえんです。

紫外線に対する抵抗力には個人差があり、人種や肌の色の違いによっても異なりますが、メラニンの一種である紫外線遮断効果の高い「ユーメラニン」が少ない人は紫外線の害を受けやすいとも言われています。

日焼けしても黒くならない人はこの傾向が強く、紫外線対策を怠らないように注意する必要があります。すぐ肌が赤くなる人や、肌のほてりが消えず熱やかゆみを伴うような人も要注意です。

皮膚に対する害だけではなく、紫外線は疲労因子としても働くのではないかという研究もみられます。

突発性発疹の原因ウイルスとして知られるHHV6ウイルス」は、「疲労」にも関与することが知られており、唾液中のウイルス量は、浴びた紫外線の量に相関することが分かっています。目から入ったUVが中枢神経を介して信号を送り疲労の原因を作ると説明されています。

このように並べるとUVは百害あって一利なしと思われがちですが、皮膚組織でビタミンDを合成して骨の代謝に関与することは常識となっているだけではなく、最近では、大腸がんなどの消火器ガンの発生を減らす働きもあるという報告もなされています。

しかし、子どもの時に浴びたUVが後になって皮膚がんを起こすという事実から、母子手帳からも「日光浴」という言葉が消えたことは以前にもお話しました。

子どもの紫外線対策に関する母親の意識は高く、日焼け止めクリームだけではなく、紫外線カットの子ども服や水着など子ども用の紫外線対策グッズが売り上げを伸ばしているようです。

ところが、症状がない新生児の少なくとも2割がビタミンD不足を来たしており、母乳のみで育てると不足状態が長引きやすいという研究結果が最近発表されています(4月1日、日経新聞)。京都大学の佐藤亮先生の研究では、京都市内の病院で一年間に生まれた新生児1,120人の産科退院時のチェックで、約22%が頭蓋骨を指で押すとペコペコへこむ骨の軟らかい状態(頭蓋癆)であったというものです。特に母乳だけで育った子どもの大部分はビタミンD不足であるという結果から、母乳栄養児は離乳食になるまでは10分程度、日焼け止めを使わずに日を浴びることが必要ではないかという見解が述べられています。