こんにゃくゼリー 大丈夫ですか?

                                                             

 こんにゃくゼリーによる窒息事故が後を絶たたないようですが、9月にも、1歳10カ月の男児が死亡する事故がありました。

こんにゃくゼリーをのどに詰まらせて死亡する事故は、1995年以降で17にのぼり、少なくとも5社の製品で被害がでています。

このうち1〜7歳の乳幼児が106887歳の高齢者が6件となっていることから、国民生活センターは「子どもや高齢者は絶対に食べないように」と注意を呼びかけています。

中でも、カップから吸い出すように口に入れる一口サイズはのどにつまりやすいのですが、独特のプチプチ感が好まれて、より弾力性のあるものに人気があるようです。

こうした状況を受け、政府は関係省庁からなる「消費者安全情報総括官会議」を開いて事故の再発防止策をまとめ、「消費者への注意喚起やゼリーの形状や表示の改善など」を柱に、メーカーや流通業者に協力を要請しています。

このように事故が多発する背景には、ゼリーが10年前に比べて硬さも弾力性も強くなっており、更には硬さや大きさを規制する法律がないことが挙げられています。国民生活センターでは商品テスト(2372製品)を実施し、その結果を7月5日に公表していますが、90年代、特に95年に事故が多発し問題になったにもかかわらず、製品の改善が進んでいなかったことに失望感が膨らんでいます。業界では、子どもや高齢者に与えないよう注意を呼びかける表示をするように申し合わせていたにもかかわらず、調査では、47製品に表示がなかったということです。

主力製品「蒟蒻(こんにゃく)畑」を筆頭に、年間総売り上げ額108億円の3分の2を占めといわれるマンナンライフは、13種の製造一時中止を決めましたが、とき既に遅しの感が拭えません。既に流通している商品については自主回収せず、テレビCMなどでの注意喚起にとどめるということです。

全国こんにゃく協同組合などでは、商品の警告表示を拡大して見やすくするなどの安全対策をまとめ、農林水産省に提出済みとのことですが、自民党内では、ゼリーの形状などを規制する新法制定を検討する動きも出始めたようです。

ゼリー被害は「消費者庁」設立のきっかけにもなっており、事件を重く見た政府は既に「消費者安全法案」を国会に提出していますが、これでも根本的解決にはなりにくいという事情があって、新法が取りざたされるに至ったいきさつがあります。

ただわが国には、こんにゃくゼリーに留まらず「モチ」という正月の窒息騒ぎの常連があるだけに、ゼリーだけを規制する道筋には無理があるという点も否定できません。   

実際、厚労省の調査では、救命救急処置が必要になった食品を原因とする窒息事例803例のうち、モチが168例で断トツの1位、カップ入りゼリーは11例であったそうです(1011日付、産経新聞)。

5月11日の日経報道によると、厚労省の研究班が12の政令都市と東京都の消防が2006年に救急搬送した食品による窒息事故事例を調査したところ、モチやご飯、パンなどの穀類が原因となるケースが半数を占め、10歳未満の子どもではアメなどの菓子類が1位、魚の骨、果物類の順で、菓子ではゼリーよりもアメが原因になることが多いと判明。

中には、日本人の食文化と深いかかわりのあるモチと、食品としての歴史も浅く危険性の認識が不十分なこんにゃくゼリーを同次元で扱うことの不合理を説く意見もあり、食品衛生法で処理することにも無理があるようです。

国外に目を転じると、EU(欧州連合)が03年にこんにゃくゼリーの輸入・販売を禁止しているのをはじめ、FDA(米食品医薬品局)では01年に輸入中止を業者に勧告。

いずれにしても、規制が後手に回っていることや、昨年も6月から8月にかけてこんにゃくゼリーによる窒息事故が盛んに取り上げられただけに、この情報化時代に、情報があまねく知れ渡っていないことが残念でなりません。