マスクの効用

 例年より1ヵ月半も早くインフルエンザの流行が始まって戸惑いを感じます。

もう直ぐ師走、いざ予防接種と予定されていた人も少なくないようですが、流行期の接種には多少のためらいを捨て切れません。たまたま高熱が出たというくらいならともかく、脳症などを併発しようものなら話がややこしくなりかねません。

季節柄、インフルエンザに関する記事が目につくようになりました。

予防は一にワクチン、二に外出時のマスク、次いで、帰宅時の手洗い・うがいをすすめる内容が多いようです。うがいは専用のうがい薬を用いなくても、感染性を抑える作用をもったカテキンに富む紅茶や番茶、煎茶で十分で、人肌くらいの温かさがベストと言われています。何はともあれウイルスの巣ともいえる繁華街や人ごみの中には行かないようにすることが最大の防御法になるでしょう。

 マスクは年々進化して「高機能マスク」が幅を利かせているようで、次から次へと新製品が売り出されてどれを選べばよいのか迷ってしまうのも無理はありません。家庭用マスクの08年の市場規模は、前年比10.2%増の141億円になる見込みで、市場は拡大一方なんだそうです(1113日、毎日新聞)

マスクが推奨される一方で、マスクの効果を疑問視する意見もないわけではありません。

図(大阪府医師会学校医部会・中谷正晴先生作図)のように、インフルエンザウイルスのサイズは80120nm(ナノメートルは10億分の1m)、ノロウイルスに至っては32nmしかなく、昔ながらのガーゼマスクではスケスケ状態で、ウイルスの侵入をトラップできるかどうかは怪しいかぎりなのです。

空気中を浮遊するウイルスや微粒子から呼吸を保護するためには、N95と呼ばれる呼吸保護具がベターですが、息苦しく長時間の着用には不向きなのが難点です。N95は、油脂成分を含まない固体あるいは液体を最低95%以上も捕集する能力をもった呼吸保護具のことで、SARS騒ぎのときにも話題になりましたが、新型インフルエンザ大流行のときにも威力を発揮するものと期待されています。

高機能マスクは、ポリエステルやポリプロピレンを素材に多層構造で作られているものが多く、超極細繊維などの高密度フィルターや、ウイルスや細菌を除菌するための酵素フィルターなどを備えた製品などが所狭しと店頭を賑わしています。

ただ、鼻・口と下顎をしっかりと覆い、マスクの縁と皮膚の間にすき間が生じないようにしっかり押さえるように装着しないと効果は半減します。この点でもフィット感と保湿効果を高めて口もとに潤いを保つようにしたものも目立ちます。

ただSサイズでも、幼児には大きすぎて不向きなようで、改良の予知がありそうです。