新型インフルエンザ 第2波は? A

                                                  

 新型インフルエンザ(H1N1)の感染者は、15日に福岡市や千葉県、愛知県などでも判明し、計608人となりました。 潜伏してカウントされていない感染者も少なくないと思われますので、実数はもっと多いと思われます。

 

診察する立場からみると、わが国での新型の感染力は余り強いほうではないなという感触もあるのですが、1人の感染者からうつる人数(再生産数というそうです)は2.3人、未成年者間にかぎるとさらに大きく2.8と推定されることが、オランダ・ユトレヒト大学の西浦研究員(理論疫学)らの分析で分かったという報道もみられます(6月13日、産経夕刊)。

この記事によると、再生産数は、WHOの研究チームによるメキシコでの推定値1.41.6人や、通常の季節性インフルエンザの1.11.4よりも大きいとのことで、感染力は強い方と言っていいでしょう。

 

 4月29日にフェーズ5に引き上げられてから1ヵ月間は据え置かれた警戒水準ですが、冬場の流行期に入った南半球での感染者の急増を受けて、6月11日、WHOのマーガレット・チャン事務局長はついに「フェーズ6」に格上げして「パンデミック」を宣言「世界的大流行の初期段階」という認識を示すと共に、「最大の懸念は、新型が今後、医療体制が貧弱な途上国でどのような広がりを見せるかが見通せないことだ」語っています。 
 同時にWHOは、パンデミックが3年程度は続くという見通しや、「季節性インフルエンザ」並みの患者数に減少するまでは終息の判断は出来ないとの見解も示しています。

 

わが国では、マスク姿が街角から消えて取りあえずは小流行で終息、感染者の多くも軽症で終わりそうな雲行きです。

各地で「安心宣言」も出されて、流行は過去のものという感覚が支配的ですが、今後の流行の動向が不透明なことや、感染者の増加と共に重症化する人も出かねない状況にあります。

「半年以内に大規模な感染拡大が確実に発生する」という見方や、第2波の大流行では数千万人の感染者や重症化も予想され、まだまだ予断を許さないと見たほうがいいでしょう。