自転車「3人乗り」容認へ

 

 自転車の3人乗りが道交法で禁止されていることは、以前に(08.2。26)お知らせした通りです。

しかし、保護者らに対するアンケート調査では、幼児2人の同乗を認めるべきだとする回答が4割に達したことなどから、警察庁は安定した構造の自転車であることを前提に容認する方向で、検討を進めていました。(3月4日、産経新聞夕刊)

そのために、自転車産業振興協力会などの業界団体に対して、ハンドルがぶれないよう低重心型の自転車や安定性を重視した三輪車など「3人乗り」用自転車の開発・普及への協力を要請し、今年の4月になって、車体に十分な強度があることなど6項目の要件(別記)を満たせば認めることにしたのです。

■「3人乗り」求められる要件
 @十分な強度がある
 A十分なブレーキ性能がある
 B駐輪時に転倒しないよう扱いやすく、安定している
 C幼児用座席の取り付け部分などにゆがみやねじれが生じない
 D走行中にハンドル操作に影響の出るような振動が発生しない
 Eこぎ出し・押し歩き・停止時などに操作しやすく、安定している
 *さらに、転倒時の安全性に配慮されていること

 

幼児2人を同乗させる3人乗りは、7月1日、一部の県を除く全国44都道府県で解禁されることになり、安全基準を満たした新型自転車の販売が約10社から既に始まっています。

残念なことに、従来の自転車に比べて割高で、5万〜7万円台、運転が楽な電動アシスト機能つきは1314万円となっています。子ども2人を乗せても耐えられる強度と安定性などが工夫されていますが、3人乗りの危険性が解消されたわけではなさそうです。

不況が長引き、そうでなくても出費を抑えようという家庭にとって、新型自転車を購入する家庭がどれだけあるのか普及には疑問符が付くところですが、3人乗り解禁の是非については今、喧喧がくがくの議論が巻き上がっています。

 

3人乗りの危険性について論じる前に、なぜ3人乗りをせざるを得ないのかを考える必要があります。働きに出るお母さんが増えるのに伴って、一刻でも早く保育園や幼稚園に送っていこうと考え、自転車に2人の子どもを乗せて走りたくなる母親の心情は当たり前のことで、好んで3人乗りをしているわけではないでしょう。今回の3人乗り容認は姑息な子育て支援策にすぎず、3人乗りをしなくてもすむような育児環境、子育て支援策を編み出すべきではないでしょうか。

3人乗りはバランスを崩しやすく、子どもが居眠りでもしたら事故の危険性はぐっと高まるくらいは、当のお母さんが一番感じていることです。子どものヘルメット着用の義務化は、今回の改正では見送られました。法律の規定うんぬんではなく、安全な走行にヘルメットが必要なことは誰が考えても分かることでしょうから、着用に前向きな検討が必要と思われます。

自転車は軽車両扱いなので、車道を走行するのが原則となっていますが、安心して走行できる自転車専用スペースの整備がなされている地域は例外的という状況を見ると、議論が空転しているようにも思われます。

従来の自転車で3人乗りをすると「道路交通法違反」ということになりますが、警察庁は新型自転車が普及するまでは、取り閉まることはせず、警告・指導にとどめるよう全国の警察本部に通達を出したということです。